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新しいやり方は資産に

――既存業界から反発はありませんでしたか。

「会計事務所からは当然、抵抗がありました。『普通の会計ソフトが当たり前にできることができない』『おもちゃだ』なんて言われましたよ。でも、新しいものにとびつくのは最終消費者なんです。彼らの体験を取り込みながら、サービスを改善してさらに多くの人に体験を広めていく。最初の5年はこのプロセスを繰り返しました」

「フリーへの評価は賛否両論でした。不安に感じる新入社員に対し、『米アップルのiPhone登場時にこれに対抗したキーボード付きスマホがたくさん出てきた。アップル社員はタッチ感覚やかっこよさを訴え続けた結果、いまやキーボード付きスマホなんてない』と説きました。フリーが新しいやり方をする存在であり続けられたのは大きな資産になっています」

――ギグワーカーや個人の副業が増えましたが、10年前に予想をしていましたか。

「予想していませんでした。もちろん、ビデオ会議やリモートワークが増えるくらいの想定はしていましたが、事業継続計画(BCP)の文脈で考えていました。いまやそれがデフォルト(標準)に。企業にとって選択肢を持つということが重要になってきているのかもしれません。フリーの構想はまだ実現できていないことが多い。時代が追いついてきたなんてこれっぽっちも思っていません」

(フィンテックエディター 関口慶太)

グーグルOBの起業家
ささき・だいすけ 1980年東京都生まれ、美容院を営む家庭で育つ。一橋大学商卒、博報堂に入社。投資ファンドやAIサービスのALBERTを経てグーグルに。企業向けマーケティングに携わるなかで、先代、先々代から受け継いだ顧客基盤の範囲でしか仕事をしていない日本の中小・零細企業のビジネス環境に疑問を持つ。12年にフリーを起業し最高経営責任者。19年12月東証マザーズに上場。一橋大学経営協議会委員も務める。2児の父。好きな言葉は「マジ価値」。

お薦めの本


「高橋是清自伝」(高橋是清著)
 奴隷として売られた米国で、英語を覚え、商館で働いて貿易を学びます。転職を繰り返し、日銀総裁や首相にまでのぼりつめます。既成概念にとらわれない突破力に発破をかけられます。
[日本経済新聞夕刊 2022年6月30日付]

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