転職、私たちの正解 3人の女性の成功ヒストリー
キャリアコラム【ケース2】
地元アナウンサーから企業の経営支援の道へ転職

伊波紗友里さん(33歳・沖縄県在住)。夫と子どもの3人暮らし
沖縄や東京のラジオ局やテレビ局で、アナウンサーを務めてきた伊波紗友里さん。報道から経済まで幅広い番組に関わり、取材・原稿作成・番組出演と活躍してきた。ところが、2020年のコロナ禍のなか、沖縄の女性の窮状を見て、「無力さを感じた」という。
「もともと沖縄は非正規雇用の女性が多く、離婚率も高い。そこに産業の柱である観光業が打撃を受け、取材したシングルマザーから『明日の食費もない』という話を聞き、なんとか救いたいという使命感に駆られました」。
2021年1月、コンサルティング会社に転職。中小企業の経営を立て直し、女性たちが働く場を確保しようと奮闘中だ。「年収は100万円ほど下がりましたが、社会課題に取り組むことができ、充実しています。現職は副業もOKなので、柔軟な働き方で自分を成長させていきたいです」。

現職のコンサル会社は、前職で経済番組の取材を受けてもらったときの縁。
<エントリー企業数>転職先の1社
転職エージェントなどは利用せず、現職の社長と直接交渉。未経験にも勝る熱意をアピール!
<活動期間>前職の上司に相談してから6カ月後
テレビ局の上司に「社会支援をしたい」と相談。前職から理解してもらい、6カ月後に転職。
前職で培った現状分析力・言語化能力が未経験のコンサル業で強みになるとアピール
アナウンサー歴10年以上、瞬時に現状を把握する力、人に伝える言語化能力には自信があった。「前職で身に付けた強みが、未経験のコンサルタントで生かせるとアピール。どんな人と会っても臆さない点も評価されました」。
「コンサルに必要な傾聴力、課題への着眼点、問題解決能力は、前職と共通しています。経済番組やマネースクール講師で、経営の基礎知識があったことも幸いしました。今はさらに強みを伸ばすべく勉強中」

『図解 コンサル一年目が学ぶこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『コンサルティングの基本』(日本実業出版社)、『ビジネスフレームワーク図鑑』(翔泳社)
キャリアコンサルタントの資格を取得、働き方の多様性を考える契機に
「自分自身も出産・育児を経験し、女性の立場や働き方は男性に比べて弱く、不平等だと感じました。でも、キャリアコンサルタント資格の勉強を通じ、ライフステージに応じた雇用形態を選ぶなど、しなやかな働き方ができると思うようになりました」

「取得するなら国家資格を」と育休中に資格を取得。『キャリアコンサルティング 理論と実際』(雇用問題研究会)
「困窮する女性たちに直接仕事で関わりたい」転職動機を明確にした
「困窮する女性を直接救いたい」という使命感に駆られた。「自分もコロナ禍のなかでの転職・未経験と不安だらけでしたが、一歩踏み出しました」。
【転職活動お助けGOODS】

仕事で愛用していたジャケット
アナウンサーとして番組に出演したときや、マネースクールの講師業で着ていたジャケット。「コンサルティングには信頼感も必要なので、今も愛用しています」。