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A2メンバーの声が新規事業に採用された

そうしてメンバーを増やし、十数人からスタートしたメンバーは約150人に。部門や年代もさまざまだが、同じビジョンを持っているからこそ、立場に関係なく本音で話し合えるという。

また、社内の人材交流が活発になった結果、アイデアが本業に生かされる例も生まれた。

アステラス製薬には医療用医薬品(Rx)事業に加えて、Rx事業で培った強みをベースにした部門がある。最先端の医療技術と異分野の先端技術を融合させ、Patient Journey(診断、予防、治療や予後管理を含む医療シーン全般)全体において患者に貢献し、かつ単独で収益を生み出せる事業をつくることを目的とした「Rx+(アールエックスプラス)事業創生部」だ。

18年に発足した部門だが、A2メンバーの光岡圭介さんがその企画立案に携わっており、具体的な戦略やPR方法について悩んでいた。そこでA2ならではのフラットな関係を生かし、さまざまな部署から10人程度のメンバーを集めてディスカッションをした結果、「他業界のトレンドも見たほうがいい」「事業内容を分かりやすく説明するにはPR動画がいいのでは」という意見が出た。

「最終的に担当者が自部門で検討した結果、当時のアステラス製薬ではまだ珍しく、斬新な手法であった動画メッセージが正式に採用されました。新規事業の報道発表会でお披露目したとき、『おおっ』と会場がざわつき、社内外から高評価だったと聞いています」(村上さん)

コロナ下で始まったランチタイムトーク「A2イイトモ!」

メンバー間の密な交流を大事にしてきたA2だが、コロナ下では「対面での活動ができない」という事態に。メンバー同士の絆を強めたり、新たな仲間を迎えたりする機会がなくなってしまい、思いついたのが月に1回のオンラインのランチタイムトーク「A2イイトモ!」だ。

「『笑っていいとも!』のように私がタモリさん役となり、社内からゲストを招いて、仕事だけではなく、その人となりまで掘り下げるトーク会にしています。誰しも仕事をしていると、いろんな壁や悩みがあると思いますが、それを『あの人も同じことで悩んでいたんだ』『そうやって解決したのか』と参考になります。今後は本物のタモリさんのように、もっとトーク力を身に付けて、ゲストの魅力を引き出さなくては(笑)」(村上さん)

「オンラインなら参加しやすく、初参加の若手にも声をかけやすくなります。それにオンラインになったことで地方や海外の人など、普段は会えない社員と話せるというメリットもあります」(中井さん)

A2のルーキー中井利恵さん。「A2ではメンバー間でサポートし合いながら新規メンバーにもイベントの企画を任せてもらえるので、ハードルを感じずに『やってみたい』を行動へ移すことができます」

A2のルーキー中井利恵さん。「A2ではメンバー間でサポートし合いながら新規メンバーにもイベントの企画を任せてもらえるので、ハードルを感じずに『やってみたい』を行動へ移すことができます」

また、これまでの活動を振り返る意味でも20年末に「ポジティブインパクト共有会」を開催。「A2に参加してどういったポジティブなインパクトがあったか」をメンバー同士で発表したところ、多くの若手社員から「A2メンバーに壁打ちしてもらって、より仕事での精度が上がった」「同世代が頑張っている姿を見て、いい意味で危機感を持つようになった」「目指すべきロールモデルを見つけた」といった声が上がったという。

「私自身も仕事で提案したいことがあるとき、A2のメンバーに相談するといろんな視点からの意見がもらえます。かなり厳しいこともいわれるのですが(笑)、自分一人だけで考えているよりも格段にブラッシュアップされていると実感しています」(村上さん)

「私はマインド面での変化が大きいです。仕事をしていると業務の波もあって、『成長したい』と思い続けるのが難しいときもあります。でも、定期的にA2の活動があると、そこでリセットできるし、いい刺激を受けて、自分も頑張ろうと思えます」(中井さん)

「私はいろんな部署の人と連携を取れるようになったのが一番ですね。自分自身もいくつかの部署を経ていますが、一つの部署だけで完結する仕事って、まずありません。そんなとき社内に気心の知れた仲間がいると心強い。仕事が格段に速くなり、質も上がったと感じます。A2メンバーが意欲的に行動することが自社の価値を高め、それが事業を通じた社会貢献につながると思うので、今後も同じ思いを持つ仲間とともに、活動を続けていきたいと思っています」(西浜さん)

(取材・文 三浦香代子=日経xwoman、写真 小野さやか)

[日経xwoman 2022年1月5日付の掲載記事を基に再構成]

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