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アイデアの「つまみ食い」はしないと約束

そんなことを考えたきっかけは、気候変動への対策を訴えるストライキやデモで世界中に衝撃を与えたスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの存在です。彼女が活動を始めたのは15歳で、世界にその名を知られるようになったのが16歳。こんなに本気で地球の未来のことを考えている子どもがスウェーデンにいるのだから、日本に同じような子どもがいないはずはないと思いました。

21年中に商品に使用する石油由来のプラスチック量を50%削減する目標を立てた

21年中に商品に使用する石油由来のプラスチック量を50%削減する目標を立てた

CFOとサミットメンバーの年齢について「なぜ20歳ではなく、18歳以下なのか?」とよく聞かれるのですが、答えは簡単です。企業にとって大学生と接点を持つのはアルバイトやインターンシップ(就業体験)などの機会があるので、それほど難しくありません。しかし、高校生以下となると、とりわけ上場企業にとっては大きな壁があります。でも、壁があるからこそ、そこを打ち破る意味があると考えたのです。

「日本のグレタさん」などと称されることもあるCFOですが、両者を取り巻く環境は全く違います。なぜなら、グレタさんは大人が耳を傾けてくれないから、学校をストライキして抗議の意思を示すしかありませんでした。それに対し、当社のCFOはユーグレナという上場企業から「本気でコミットしますよ」と最初から約束されている。しかも、我々経営陣は彼女ら彼らの提案を都合のいい部分だけ「つまみ食い」するのではなく、「最上位のものとして全部受け入れる」と明言しているので、会社の資源をうまく活用してレバレッジ(てこ)を効かせれば、相当大きなことができる。そして、具体的な成果という意味ではグレタさんをしのぐインパクトを出しています。

初代CFOとサミットメンバーは半年以上の議論を経て、「環境への意識の高さ、低さにかかわらず、当社はお客さまが意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みの構築を目指す」という方針を策定し、「環境負荷の高い石油由来のプラスチックの使用を大幅に削減する」というアクションを提言しました。それに基づき、我々は既存の飲料用ペットボトル商品の全廃、紙容器への切り替えを決めました。他にも外装フィルムの廃止や容器の軽量化などによって、21年中に商品に使用する石油由来のプラスチック量を50%削減する目標を立て、懸命に取り組んでいます。

当社の商品は現在、毎月30万人の方に使っていただいています。それだけ大量の商品がCFOの提言を受けてから僅か2年でガラリと変わったのですから、グレタさんが聞いたらびっくりすると思います。

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