セカンドキャリア、壁は3つのmust まず収入の目安を
sfidaM代表 小沢松彦氏
キャリアとお金を考えるノートでもエクセル表でも構いません。住宅費、光熱費、交際費、趣味・娯楽費、医療費、通信費など大まかな必要経費を書き出します。項目を書き出したら(図表参照)、生活していくために必要な項目に優先順位を付けていきましょう。生きるために必要なことですから、衣食住や教育、医療などが中心になってきます。
趣味や娯楽は生活必需ではありませんから、優先順位外です。ゴルフなどのスポーツもいったん諦めてください。交通の便に恵まれた都会であれば、車も必要ないでしょう。一方、現代では通信費はある程度必要になりそうです。
セカンドキャリアの収入設定 現実的な縮小生活費がベース
優先順位が付いた項目に最低限必要な費用を割り振っていきます。住宅費は固定的かもしれません。食費はどこまで切り詰められるでしょうか。酒代は大きく削れそうです。通信費も最低料金に乗り換えましょう。さて、このようにして「最低必要な項目」に絞り、そこに「最低必要な金額」を割り振ることで、「本当にギリギリの生活費」が見えてきます。
次のステップはこの最低金額に少し潤いを与えることです。試算した最低金額では、恐らく今までの生活から落差があり過ぎて、一気に心が沈んでいまいそうです。そこで、ゴルフは諦めるけれど、市営のスポーツセンターに通うのはありにしよう。月2回の外食はありにしよう。心を豊かにしてくれる読書だけは続けよう。ただし、なるべく古本でなどと多少の遊びを作ってみるのです。この遊びの幅をどれくらい持たせるかは自由ですが、あまり大きすぎるとシミュレーションの意味がありません。

こうして算出した「現実性のある縮小生活費」をベースにして、セカンドキャリアでの収入を設定するのです。もちろん、これはシミュレーションですから、実際には試算金額より良い条件に出合えることもあるでしょう。その時は心に一気に余裕が生まれます。その際はシミュレーションと現実の収入の差を少しでも貯蓄に回す考えも生まれるかもしれませんね。
私自身、30年勤めた会社を辞めた際はサラリーマンとして比較的高い収入を得ていました。しかし、退社してから事業がある程度軌道に乗るまでは生活を大きく変えました。退社前の最後のゴルフコンペの後、キャディーバッグを閉じてから再び開けるまでに3年。ゴルフクラブのグリップやシューズのゴムの部分はすっかり溶けていました。ランチも東京都心では1000円ぐらいかかるのが当たり前でしたが、家内の弁当に切り替えました。