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理想は「いいところ取り」

「私は最悪の時がどういうものか常に考えます。そのうえで、こうなったらこうすればいい、こういう時は誰に相談しようなどと道筋を作っておく。そうすれば大丈夫だと信じられます。理事長選挙の時も『前理事長のかいらいで理事長をやろうとしているのでは』『女性で大丈夫か』など自分がへこむ質問の想定問答をいっぱい考えました。実際は出ませんでしたが、準備したから自信を持って臨めたし、皆さんから信頼してもらうことにつながったのだと思っています」

――理想のリーダー像として目指す人物はいますか。

「特定の人はいません。この人と決めると、それに縛られる気がするからです。フランケンシュタインではありませんが、年上でも年下でも、男性でも女性でも、いろいろな人のいいところを取り入れるのが理想です」

「たとえば監査法人には社外取締役に相当する社外評議員の方々がいます。元日本取引所グループ最高経営責任者(CEO)の斉藤惇さんはアクセルとブレーキの踏み所などリスク感度が鋭いです。ヤマトホールディングス社長を務めた有富慶二さんからは特定の人に頼らず組織がまわる仕組み作りが大切と言われています。日銀出身の深尾光洋さんは金融情勢が企業経営に与える影響について深い示唆をもらえます。いずれも簡単にはまねできませんが、大きな指針をもらえる方々です」

(企業財務エディター 森国司)

数字に囲まれた幼少期
かたくら・まさみ 1968年東京都生まれ。91年明大経営卒、太田昭和監査法人(現EY新日本監査法人)入所。2011年シニアパートナー。常務理事を経て19年に理事長就任。
 小さい頃は伯母の勤め先の税理士事務所でよく遊び、領収書整理などを手伝った。お客さんからありがとうと言われ、手土産でケーキがもらえる――。そんな税理士や会計士に憧れた。実家でも仕入れた食器やアサリを軒先で売るなど、幼少期から数字を身近に感じて育った。
お薦めの本
イノベーション・オブ・ライフ(クレイトン・M・クリステンセンら著)
 経営学に基づく人生論。エリートがキャリア形成と裏腹に道を踏み外す背景を説明します。幸せな人生に何が必要なのかヒントをもらえます。
[日本経済新聞夕刊 2022年3月31日付]

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