ピアニスト・反田恭平氏 発する言葉は最低限に
ピアニスト 反田恭平氏(下)
私のリーダー論地道にチャンスつかむ
――株式会社のオーケストラなので、成長させて稼ぐ必要があります。
「次のショパン・コンクールまで僕は、一定のオファーをもらえる可能性が高いと思います。その中で世界のホールの担当者や現地のエージェントと仲良くなり、『次はオーケストラを呼んでよ』とアピールしたいです」
「最近も欧州でリサイタルがあった際、次は少人数のアンサンブルを指揮しないかとオファーを受けました。『君のオーケストラと混合で』とも。そういった機会が少しずつ増えていると実感していますので、地道にチャンスをつかんでいきたいです。世界の音楽祭に楽団を連れて行き、良い演奏をして口コミが口コミを呼ぶ状態にもしていきたいです」
「奏者個々の顔を見てもらいたいから、メンバーのリサイタルシリーズも開催しています。演奏は素晴らしいですが、さらなる集客の余地はあります。常時満席が理想です。リサイタルは個々の技術向上やメンタルの成長につながり、その上で合奏すれば楽団としても成長します。全国ツアーも年2回ほど計画しており、そのほか全国各地に呼ばれれば喜んで行きます」
「さらに柱になるのがオンラインサロンです。演奏のレッスンなど、メンバーも前向きに取り組んでくれています。ファンのコミュニティーがしっかりできれば、チケットの宣伝の仕方も従来とは変わってくるはずです」
(西原幹喜)
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ドライブで無心になる
欧州と日本を行き来しており、帰国するとコンサートやメディア出演に走り回る。そんな中、愛車を運転しているときが唯一無心になれる。時間がとれると地元東京の友人を誘い、海や川に出掛ける。
缶コーヒーを飲みながら話をしたり、携帯ゲームをやったり。特段の目的はなくファミリーレストランにも出掛け「ドリンクバーだけで何時間も過ごして学生時代を思い出す」。今後は道路事情の違う欧州でも自分で車を運転できるよう準備している。
嫌われる覚悟が必要です。新しいことを起こすと反感を買いますけど、押し切った先に道が開けることが多い。もちろん人を傷つけてはダメですが、批判を受けても家族や友人が信じてくれればいいと考えています。