変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

海外目線で「パーパス」策定

――今でこそパーパスを策定する企業は増えてきましたが、竹内さんはリーダーになる前から考えていたのでしょうか。

「会社に入って間もない、米国に駐在していたころでしょうか。日本で2年ほど経理の仕事をした後で米国駐在を経験し、日本での仕事の常識も分からずに、米国で数年間過ごしました。海外から見てオリンパスに対して、ずっと企業のビジョンがない会社だと思っていました」

米国駐在は2回に及び、家族も帯同した(前列右から4人目が竹内氏)

米国駐在は2回に及び、家族も帯同した(前列右から4人目が竹内氏)

「『オリンパスはいったい何の会社だろう?』と考えても、顕微鏡や内視鏡、カメラの会社というイメージで、事業を寄せ集めただけです。私が海外にいた時から海外売上高の多い会社にもかかわらず、発想は日本発。そこにギャップとモヤモヤ感を抱いていました」

――日本の電機メーカーもかつては、複数の事業を抱えることで企業価値が下がる「コングロマリット・ディスカウント」が指摘されてきました。

「オリンパスは技術発で成り立っている会社のため、事業同士にあまり関連性がありません。ひとつひとつの事業はしっかりしているので強いのですが、コーポレートマネジメントとして事業の価値を高める活動というのをやってこなかったのです」

「その結果、オリンパスはサイロ(縦割りの組織)が強くなってしまい、お互いの事業が独立して助け合うことも、お互いを知ることもなかった。販売ネットワークも、機能もとにかくバラバラでした。全体を考えることが大切だというのは頭で分かってはいても、個別最適が大事だと現場は主張します」

「その姿はグローバル企業というのとイメージがかなり違っていました。会社としてのパーパスがなく、最大公約数のように理念がつくられていました。こうしたオリンパスの課題を何とかしないといけない、とずっと考えてきました」

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック