商工中金社長・関根正裕氏 隠す企業風土、総会屋事件で反省
商工組合中央金庫 関根正裕社長(下)
私のリーダー論
商工組合中央金庫社長 関根正裕氏
商工組合中央金庫(商工中金)の関根正裕社長(66)は新卒で入った第一勧業銀行(現みずほ銀行)で、長年にわたり広報業務に携わった。人生の転機は1997年に発覚した総会屋への利益供与事件だ。幹部11人が逮捕された大事件を経て、情報開示の重要性を身にしみて感じたという。
――銀行では広報部に通算で10年半在籍しました。
「広報部に異動したのはバブル期のピークの91年でした。在籍期間が長くなるほど、住専問題や不良債権問題といった悪いニュースが増えていきました。97年には総会屋への利益供与が発覚しました」
――事件はご自身のキャリアにどのような影響を与えましたか。
「情報発信に対する考え方が180度変わりました。正直に言えば、事件が起きるまでは不祥事をいかに表沙汰にしないかに苦心していました。事件発覚を受けて方針転換し、都合の悪いことでも全て開示するようにしました。提案したのは当時広報部次長を務めていて、後に作家へ転身する江上剛さん。発想力や先見性は並外れていました」
――なぜ方針転換したのでしょうか。
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