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「気持ちよくプレ―」プロで学ぶ

――都市対抗決勝の朝、選手が普段通り掃除をする姿を見て「これで大丈夫」と思ったそうですね。

「(決勝戦など4本塁打で橋戸賞=MVPに相当=に輝いた)度会(隆輝)選手と川口(凌)主将らがトイレやグラウンドを掃除していました。『相手チームを迎えるのに汚れていては失礼だ』と最初は私が提案しましたが、今は選手が率先しています」

「トイレを掃除したら打てるようになるかといったら、全くわかりません。ただ、うまくいかず落ち込んでいても、一日の始まりに掃除でもすれば『よし、もう一回やってみよう』という気持ちになることはあるでしょう。心を整えるとか、オンオフの切り替えになっているのかな」

「選手もやり始めると色々なところが気になるようで『こっちも掃除してみよう』などとなってきました。それでラッキーなヒットが出たんだ、とか、ラッキーなアウトがとれたな、とか思えたならば、勝負事では大事なことです。見えないツキや運は、そういうところから何となく運ばれてくる気がします」

――プロ野球選手(近鉄)時代に学んだことは。

「佐々木恭介監督には代打の1番手で使っていただいた時期もありました。厳しくて、すごく怖かったけれど、選手を直接しかるのではなく、コーチが怒られていました。手法としては(熱血の名将として知られる)西本(幸雄)さんの系譜です。梨田昌孝監督(近鉄、日本ハムで優勝)は乗せ上手で、選手への気配りがすごい。ノリ(中村紀洋選手)やローズ選手らを、とにかく気持ちよくプレーさせていました。多少のことには目をつぶりながら」

「当時の対戦チームの監督には仰木(彬、オリックス)さん、東尾(修、西武)さんもおられて勉強になりました。引退後も2年間、球団職員として1軍の試合に同行したので、かなり俯瞰(ふかん)することができました」

都市対抗野球で12度目の優勝を果たし、大久保監督を胴上げして喜ぶENEOSナイン(7月、東京ドーム)

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