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本物のサポーターを倍に

「バジェット(予算)を持つトップのクラブが輝くとリーグ全体の空気も変わる。しかし58あるクラブのうち、58番目はビリでダメとは言えない。58番目のクラブにもコアなサポーターがいて作品として成立しているのだから。それをどうやったら倍の規模にできるか、作品としての価値を上げる具体的な方法は何なのか。整理ができていないのか、整理はできているけれどリソースが足りない現実があるのか。それらを一つ一つ見ていきたい」

「リーグとしては、それぞれの地域でどれだけクラブにサポーターを増やせるかが鍵で、それにはその地域に合ったプロモーションが必要。地上波のローカル放送と地域のクラブの相性はいいと感じているので、地域のメディアと組んで作品の魅力を広範囲に伝えていく。そういう作り方がうまくいきそうな感じを持っている。そしてサッカーと関わると、こんなに幸せだったんだと一人でも多くの人に気づいてもらう。地道な作業を着実にこなすことで、川下からも空気を変えていく。今のタイミングではそれが必要だと思っている」

――野々村さんがプロ選手になった95年はまさにJリーグ人気がバブルの絶頂にあったころでした。

「本当にたくさんのファンがいた。一方、あの頃は地域と一緒にクラブをつくりあげようというサポーターはそんなにいなかったと思う。それに比べたら今は本物のサポーターがすごくいる。そういう人が倍になれば大成功という感じだと思う。いいアイデアがあれば教えてほしい。本当に良ければ、すぐに実行しますから」

(編集委員 武智幸徳)

元選手、引退後に起業
ののむら・よしかづ 1972年5月8日、静岡県生まれ。あまたの名選手を輩出した清水市(現静岡市清水区)でサッカーを始め、清水東高を経て慶大に進学。95年にJリーグのジェフ市原(現千葉)に入団、2000年に当時の岡田武史監督に誘われ、J2の札幌に移籍、優勝とJ1昇格に貢献した。01年の引退後はサッカースクール事業などを展開する会社を興し、13年に古巣札幌の社長に就任。22年3月、公益社団法人日本プロサッカーリーグの理事長(チェアマン)に就任した。
お薦めの本 
「GIANT KILLING」(著者・ツジトモ/原案・綱本将也)
 母校慶大で授業を持っていた時に学生に「この漫画の主人公の達海猛監督、ノノさんみたい」と渡された。登場人物のコメントに背中を押される。
[日本経済新聞夕刊 2022年5月19日付]

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