変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

――若い社員はどう育成しようと考えていますか。

「WOTAの掲げる理想に共感できない人は採用していません。新卒の場合、先輩の背中を見ながら成長できる人を採って、適切なミッションと相談役の人を当てます。難易度が適切で、程よく厳しく、失敗できて、最後はこぼれ球を拾ってくれる人がいる環境に配置すべきです。一方、本人への適切なインプットが成長につながると約束されてはいない。不確実性も多いのが難しいところです」

――水問題に関心をもったきっかけは何ですか。

「中学生の時に米国に行く機会に恵まれ、そこでアル・ゴア元米副大統領の講演を聞きました。環境問題は研究者の卵であるあなたたちにとって何より普遍的で人類にもつながるテーマだ。そういう研究をするべきだ――という話に共感しました。身近にある環境問題に取り組みたいと思い、色々探しました」

環境問題通じ世界と対話

――子供の頃から科学に興味があったのですね。

「小学1年生の時から自由研究を根を詰めてやりました。理科の先生が私にアイデアをくれたり、手に負えない場合は大学時代の先生を紹介してくれたりしました。生き物の研究で大学の教授にメールで質問を送ると、皆さん面白がって答えてくれました。2005年、中高生向けの科学コンテストで最優秀賞に選ばれ、上位入賞者の特典で米国に招かれ、米国立衛生研究所でゴア氏に出会いました」

小学生時代は生物の研究に熱中した(9歳のころ、徳島県)

小学生時代は生物の研究に熱中した(9歳のころ、徳島県)

「自分の根本的な興味の向かう先として、人文科学とか自然科学とか、目的の実現とは無関係なところで線を引くことが嫌いなんです。環境問題を解決するための手段はこだわりなく選べばいい。経済、政治、人の利害などを含め、問題を通じて全世界の人と言葉を超えてつながれるんじゃないかと思いました」

――まず環境問題に関心を持ち、そこから水問題に絞ったのですね。

「高校生の時に東大の先生が瀬戸内海の海を調査するプロジェクトに参加したんです。産業廃棄物由来の水問題が起きていた豊島で、経済と環境の両立を議論しました。思い返すと、幼少期を過ごした徳島県内の山間部域でも水道が少なく、水源を手入れして使っていたなと」

「高校在学中には、納豆に含まれるポリグルタミン酸から水処理に使う凝集剤を作れないか試みたこともあります。身近なものから誰でもつくれる水処理材料を実現できないか、水問題について考えるきっかけになりました」

――18年にWOTAに参画したきっかけは。

「もともと大学時代の先生の紹介で、創業者とは知り合いでした。私自身は当時違うことをやっていたのですが、WOTAが事業拡大する中で手伝い始めたのがきっかけです。私が目指す水問題の構造的な解決に取り組むには、企業が事業として関わるのがベストだと思っています」

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