変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

いでよ独創的な指導者

――16年に札幌は9年ぶりのJ2優勝を果たし、17年はJ1残留にも成功した。それだけの功があった四方田修平監督を18年からミシャ(ミハイロ・ペトロビッチ前浦和監督)に代えた。あの決断は衝撃的でした。ミシャはその年、札幌を4位まで引き上げた。

「サポーターや関係者は"野々村は何をしてるんだ"という感じだったと思う。社長時代の僕は毎日練習を見ていた。練習ですごいシュートが決まった時、(打った方を称賛するよりも守備の選手に)『どうしてそこで打たせた』と問うような守備的なアプローチが強いと、自主トレでも1対1の守備練習をする選手が増えてくる」

「ミシャは反対だった。シュートが決まると『ブラボー』と褒める。すると皆がブラボーをほしがって攻撃がどんどん良くなる。守備がぬるくなる面はあるけれど、それは次のステップに進んだ時に改善すればいいこと。思い描く成長曲線どおりにチームを伸ばすには、思い切って空気を変えることも必要。あの時はそういうタイミングだった」

「世の中には0を1にする創業者タイプの人がいる。監督でいうと、ミシャや王者川崎フロンターレの礎を築いた風間八宏さんらがそう。そういう独創的な指導者がもっとたくさん出てきてほしいというのはすごくある」

Jリーグの村井前チェアマン(左)から重責を受け継いだ(3月)

Jリーグの村井前チェアマン(左)から重責を受け継いだ(3月)

――ともに仕事をするJリーグの理事が若返りました。宮本恒靖さん、内田篤人さん、中村憲剛さんら元日本代表選手もいます。これからのサッカー界に必要な人材をどうイメージしていますか。

「いい経営人材をサッカーの外側から、ぱっと集められるような給与体系に公益社団法人のこちらがなっていないのが実情。プロリーグができて、選手や指導者は成功すればそれなりに夢がある感じになったのに、マネジメント側は追いついていない。サッカーの価値を上げる要素の一つとして、そこも変えたいと思っている」

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック