エンジニアの副業、案件の依頼側が気にしていること
技術者の働き方ホントの話セレクション
「付き合いのないフリーランスに仕事を依頼するのは怖い」という人もいます(写真はイメージ)=PIXTA
アーリーリタイアメントにFIRE(Financial Independence, Retire Early)、ノマドワーク。働き方の多様化が進み、在籍中の企業・組織に縛られない生き方に対する関心が高まっています。
その1つが副業です。10年前には「副業なんてもってのほか、会社員なら自社の仕事に全力投球するのが基本」という考え方も一般的だったでしょう。それが今は、筆者が講師を務める企業研修の質疑応答タイムで、副業に関する質問が当たり前のように出ます。
「副業はしたほうがよいか」「副業をするならどんな仕事がよいか」「他社の副業制度はどのようになっているか」などです。企業研修ではその会社の人事部門が立ち会っていることも多いのですが、社員は臆することなく質問してきます。
エンジニアという職種と親和性が高い
副業に対する関心は職種を問わず高まっているように思いますが、中でもエンジニアという職種との親和性は高いと感じます。
レバレジーズ(東京・渋谷)が2022年9月12日に発表した「ITエンジニアにおける副業の実態調査(前編)」の結果によると、副業をしているエンジニア300人のうち37.0%が「新型コロナウイルス感染拡大後から副業をはじめた」と回答しました。同社は「在宅勤務によって働き方が柔軟になり、副業がしやすくなった」と分析しています。

副業をしているエンジニア300人に、「いつから副業をしているか」を聞いた結果(出所:レバレジーズの発表資料を基に日経クロステックが作成)
もちろんその側面はあるでしょうが、筆者はむしろ残りの63.0%が「新型コロナウイルス感染拡大前から副業をしている」と回答したことを印象的に感じました。6割を超える人が、在宅勤務が今のように普及する前から副業を始めていたということです。
エンジニアの仕事には、仕様や成果、納期が明確なものが多くあります。このため副業として取り組みやすいのかもしれません。
空いた時間で収入増とスキルアップ
では、現職の業務を抱えながら、副業としてどの程度の仕事を請け負えるのでしょう。同調査では、副業をしているエンジニアが手掛けている案件数も尋ねています。筆者からすると副業を「案件」と捉えること自体、エンジニアらしいなと感じます。
この質問への回答で最も多かったのは「1件」(59.7%)、次いで「2件」(26.3%)。この2つで9割弱を占めました。やはり、現職と並行して手掛けられる案件数は限られているといえそうです。
1週間のうち副業に費やす活動量は「1時間以上3時間未満」が36.0%、「3時間以上5時間未満」が22.3%、「5時間以上10時間未満」が16.7%となっています。平日の仕事が終わったあと、または土日のどちらか1日を費やしているイメージです。「15時間以上」と回答した人は5.3%にとどまっており、ハードな副業をこなしている人は少数派のようです。
1週間当たり数時間、つまり平日の夜や土日のどちらかというのは、空いている時間を無理なく充てられ、さらに一定のスキルアップも見込めるという活動量なのではないかと考えられます。さらに収入を得られ、金銭面で少し余裕を持てることが魅力でしょう。副業の月収は10万円未満と答えた人が60.7%であることからも、大幅な収入アップが目的ではないエンジニアが多いことがうかがえます。