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依頼主が気にするのは「納期」

副業を始めたいエンジニアには、クラウドソーシングサービスで仕事を探す人もいます。こうしたサービスで仕事を依頼している企業の担当者に話を聞いたのですが、簡易的なWebサイト構築の仕事であれば、1週間で100件程度の応募が寄せられることも珍しくないそうです。

その中から依頼先をどう決めるかは、担当者によって方針が異なるそうです。その人は「会社員として働いている人をまず候補から外す」といいます。現職が忙しくて仕事が滞ることを懸念するためです。逆に「付き合いのないフリーランスに仕事を依頼するのは怖い」という人もいます。

両者の考え方は異なりますが、どちらも気にしているのは「納期」です。仕事の品質は、申告が虚偽でない限り過去の成果物でだいたい確認できる。しかし納期については一緒に仕事をしてみないと分からない、というわけです。

それは筆者にもよく分かります。筆者も仕事を依頼した相手から、納品日になって「PCが故障した」「データが消えてしまった」という連絡を受けることがたまにあります。

これが納期遅れの言い訳をするためのウソだとしたら言語道断ですが、事実だったとしても受け入れがたいものです。仕事として引き受けた以上、データを常にバックアップして紛失がないようにするなど、トラブルに備えておくのは当然です。

会社員の方であれば現職の仕事、フリーランスの方であればより報酬が高く短納期の仕事を抱えると、優先順位が変わるのは想像できます。仕事を発注する側からするとそれが大きなリスクです。このため、品質もさることながら納期を気にするようになるのです。

つまり副業で請け負いたい案件があるときは、納期に対する意識の高さを依頼主にアピールするとよいでしょう。過去の案件でのトラブル対処例なども示すと、依頼主も安心できます。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
[日経 xTECH 2022年12月1日付の記事を再構成]

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