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「自分が仕事で成し遂げたいこと」が定まっているか?

将来不安に向き合ってキャリアを再構築していくための次のアクションは、言うならば、自分自身の今後の事業計画書の作成です。

20、30代のうちは「生きるために」あくせく働いてきた人が、40代を過ぎて「自分が生きた証(あかし)を残すために」働きたいと望むようになるケースは少なくありません。

どれだけ稼いでもあの世にカネは持っていけない。いったい自分は、人生の中で仕事を通じて何を成し遂げたいのか。その目的を追求することで生きている時間をどれだけ充実させられるか。そういうことを突き詰めていく作業です。

特に40代以降のセカンドキャリアを考える場合、これまでの延長線ではなく、あえて経験やプライドを切り離してゼロリセットしたほうが満足度が上がることが多いように思います。

逆にセカンドキャリアではなく、ファーストキャリアをより深めていきたい、長年培った経験を生かしたいとか、年収は下げたくないというテーマにこだわるなら、むしろ転職や起業をせず、どうすれば社内に留まり続けられるかという道を徹底的に模索したほうがいいと思います。

ちなみにキャリアを再構築すると決意した場合、その方法は以下の5種類しかありません。

・「会社」を変える

・「職種」を変える

・「業界」を変える

・「職位」を上げる

・「起業」する

それぞれの方法を実現する戦術は多岐にわたります。構想を現実にするには自分に合った方法を決めて、具体策を突き詰めていくしかありません。その際に考えてほしいことは「自分固有の提供価値」は何か、を自分で定義づけすることです。

(1) 前職の社内で評価されてきた経験・スキル・能力は何か?

(2) 前職と同じ業界の他社で評価を得られる経験・スキル・能力は何か?

(3) 異業界でも評価される可能性がある汎用的な経験・スキル・能力は何か?

(4) 雇用されるだけでなく、自分で起業できるレベルの経験・スキル・能力はあるか? あるとすればそれは何か?

これらの視点をもとに、「株式会社自分」の経営者として、自身の事業計画書をまとめてみてください。

大切なことは、「自分は過去にどんな業務を行ってきて、どれだけの収入を得てきたか?」という「昔取った杵柄(きねづか)」的視点ではなく、「過去に取り組んできた経験で得たスキルを使って、これからの未来に、誰にどんな価値を提供しうるか?」という未来志向と提供可能価値を明確にすることにあります。

自分の市場価値を維持し、さらに高めるために、ぜひこの機会にじっくり考えてみていただければと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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