英語とキャリアアップ NHK人気講師が教える習得術
あしたのマイキャリアネーティブの表現が聞き取れないときは?
―英語のネーティブスピーカーの砕けた表現の意味がわからないとき、うまく聞き返す方法はありますか。

左=柴田真一氏、右=聞き手の日本経済新聞・塩田友
例えば「We must leave no stone unturned to keep the business running.」という文章の中で「unturned」が聞き取れなかったとき、「I beg your pardon?」「Sorry?」と言ってしまうと、相手はどこが聞き取れなかったのかがわからないのでもう一度全文を言い直します。すると「また聞き取れない」ということが起こってしまいます。
ここで「leave no stone?⤴」と少し音を上げて聞き返すと、相手は「unturned」のところが聞けなかったのかとわかります。あるいは「leave no what?」とわからなかった部分を「what」に置き換えて聞き返すのもいいと思います。
この方法を使うと、相手も「ここまではちゃんと理解してくれているな」「こういう表現はノンネーティブな人にはわからないのか」などと気づけるので、ピンポイントで聞き返すことはメリットが多いと思います。
―TOEICやVERSANTなどの英語力テストの中で、転職に有利なものはありますか。
転職時にスコアが見られるのは、英語力がどの程度かを判断する目安になるからであって、特定のテストのスコアが重視されることはないと思います。英語の面接がある場合は、その受け答えで判断されるでしょうから、資格試験は「自分の実力を客観視するためのデータ」として活用するのがいいと思います。
例えば、VERSANTでは話す力を6つのカテゴリから評価してくれて、今後のレベルアップのヒントになるようなコメントも書いてくれます。スコアに一喜一憂するのではなく、長い目で見た英語力アップを考えるといいと思います。
まずは「読む」スキルが大事
―「話す・書く・聞く」のスキルアップの優先順位を教えてもらえますか。
最終ゴールは「話す」ことだとして、そのためにどうすればいいかを逆算して考えてみてください。「話す」ためには「書く」ことができなければならないし、「書く」ためには「読む」ことができなければなりません。
つまり、最初は「読む」ことが大切になります。「読む」ことは「聞く」とつながっているので、読めることで聞くスキルも上がっていきます。
そして、ただ読むのではなく、読んで知ったことを書くときの参考にして使ってみる、書いたことは話すときに使ってみる、というように自分の中に英語をストックしていくことが大切です。