40歳からの転職 年収増える5つの方法、失敗するのは
ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行
次世代リーダーの転職学
年収アップにつながる転職には、5つの方法がある(写真はイメージ) =PIXTA
「先進国の中で過去30年間給料が上がっていないのは日本だけ」。最近、会社員の年収についてのニュースがしばしばクローズアップされるようになりました。どうせ働くなら、役職や権限と共に年収を上げたいという本音は誰にもあると思います。年収にリンクするのは、やはり経験やスキル。手持ちの経験資産の需給状況によって生まれる個人差も広がっています。40歳からの転職市場における年収増減の実態に迫りたいと思います。
40代からの転職で年収アップは可能か?
40代からの転職で年収を上げることは、結論から言うと、もちろん可能です。40~49歳の年代の人の転職前後の年収変化は、全体平均で言うと以下のような内訳になります。少し古いデータですが、大きな構造をつかむために概算として見ていただければ幸いです。
●転職前と転職1年目の年収
・年収が上がる人 40%
・年収が変わらない人 20%
・年収が下がる人 40%
(出典 リクルートワークス研究所 ワーキングパーソン調査2014)
当たり前の話ですが、年収が上がる人もいれば下がる人もいるので、「40代の転職は年収が上がる、とか、下がる」とか、ひとまとめに言いきれるものではありません。また、職種や地域、学歴や転職回数によっても個人差が大きいので、あまり一般論を気にしても仕方がないと思います。
ちなみに、転職前と転職後2年目の比較をすると、その内訳は以下のように変わります。
●転職前と転職2年目の年収
・年収が上がる人 60%
・年収が変わらない人 15%
・年収が下がる人 25%
(出典 同)
何と6割もの人が、転職前より年収が上がっています。この数字が意味するところは、転職直後の初年度年収にこだわりすぎると、2年目以降に挽回できるチャンスを見過ごすリスクがあるということです。
年収が上がる人と下がる人の格差が生まれる要因には、いくつか複数のファクターがあります。経験職種やスキルの個人差は簡単に埋めようがないものだとしたとき、そのほかにどんな要素が、その個人差を作るのか。今回はそこに着目してみました。