海外でスキル磨きたい? 慎重な準備と最後はエイヤ!
「石倉洋子さんと考える 今必要な世界で戦うスキル」前編
スキル&ジョブトレンド何しろ「すぐやる」のは、コツだと思います。私は、いいなと思うコースがあったらすぐに申し込みます。お金を払ってしまうと私は割とケチなんで、絶対元取らなきゃと思って一生懸命行く、続ける、そんな感じです。自分に時間を与えるのは、本当にこれをやるべきか、とか、うまくいかないかもしれない、など考える時間を自分に与えてしまうので、結局やらない、そして後悔するという「失敗」「挫折」につながるパターンだと思います。
雨宮 確かに払い込んじゃったり、航空券買っちゃったりしたら、行くしかないですもんね。
桜井 時間をつくっちゃって、悩んでいる間に時間がたってしまうというのは、「あるある」ですね。日本人はとかく、あれこれ悩みがちのような気もします。雨宮さん、欧州の人はこのあたりどうなんでしょう。
雨宮 ちょっと話が違うかもですけど、今回初めての留学で、やっぱり単位を落としちゃった授業もあるんですよ。結構落ち込んでて。でも、その単位、ベルギー人も落としていたんですよ。私が「あー、どうしよう」とか言ってたら「何? 追試あるんだからいいじゃない」みたいなノリで。誰も全然深刻に捉えてなくて、ダメだったら教授と交渉しようみたいな感じです。自分が悩みすぎるのが、こっちにいるとバカバカしくなってくるっていうのは、あるかもしれません。
キャリアはロジカルでなくていい
桜井 マインドセットってよく言いますけど、ポジティブなマインドセットが自分の中でできるまで時間をかけて待つ、というような性質のものではなさそうですね。
石倉 まさにそうです。色々な条件が全て一度に良くなることは、絶対にないので、開き直る、見切りをつけるのはとても大事だと思います。
自分のキャリアを考える場合も、オプション1、オプション2などとリストして、ロジカルにやると、結局当たり障りのないところに落ち着いてしまうので、新しいアイデアは出ないし、全然面白くない。大きく方向転換しようというときは、ロジカルにはやらない。失敗のリスクばかり目につくし、不確定要素が多いので怖いし、アップサイドの成功の可能性は見えない。大きな意思決定は要するに賭けなんですよ。