高速道だけじゃないramp ニュースによく出る仕事英語
デイビッド・セイン(34)
ニュースで鍛えるビジネス英語米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは14日、物流拠点で働く従業員12万5000人を新たに採用すると発表した。一部地域では契約時に一時金3000ドル(約33万円)を支払う。労働市場が逼迫するなか、ネット通販の需要の増える年末商戦に向けて人材を集め、物流網を強化する。
アマゾンは例年秋に年末商戦に向けて新規採用を拡大することが多い。2020年9月には北米の物流施設などで10万人を新規採用すると公表した。今回の採用規模はこれを25%上回っており、新型コロナウイルス禍でのアマゾンの業容拡大を裏づけるものだ。
ramp up..に注目してみよう!
今回取り上げる単語は、ramp up...です。
記事には、Amazon often ramps up new hiring in the fall of each year ahead of the holiday shopping season.(アマゾンは例年秋に年末商戦に向けて新規採用を拡大することが多い)とありますが、ここでご注目いただきたいのが ramp upという表現です。ramp は本来高速道路の「ランプ出口」やスケートボードの「ランプ」などからもわかるように、傾斜のついた道や傾斜そのものを表します。動詞では「傾斜させる」「傾斜をつける」といった意味があります。ramp upで量を「増やす」人員枠などを「拡大する」という意味になり、ramp up productionで「生産量を増量する」のように使います。
ビジネスなどでは能力やキャパシティーなどを「強化する」「増強する」という意味合いでも使われます。何かを達成するために注力する、といったニュアンスで坂道を駆け上がるように、グングン増やしていくイメージです。
「ramp-up period」もビジネス取引で使われる表現で、注文が殺到すると思われる時期を表します。
Speak up! 会話での使い方をみていきましょう。
A: Are you working overtime again today?
今日もまた残業するの?
B: Well, we decided to ramp up production for the upcoming holidays.
ああ。連休に向けて、生産量を拡大することにしたんだ。
ramp up production for ...で「〜のために製品生産(量)を増やす」という意味になります。何かの目的に向けて増産していることを表します。upcoming ...で「〜に向けて」「来る〜のために」。
A: Sales of electrical appliances seem to be strong.
電化製品の売れ行きがいいらしい。
B: Due to the increase in time spent at home, sales of items for comfortable living have ramped up.
家にいる時間が増えて、快適に過ごすための製品が売れたみたいね。
sales of … have ramped upで「〜の売り上げが上がった」という意味になります。特定の製品の売り上げが、なんらかの理由を受けて徐々に上がった状況を表します。
A: I'm confident this product will sell well.
この製品は絶対に売れるという自信がある。
B: I see. Let's ramp up the sales team for the event then.
そうだね。イベントのために販売チームを増強しよう。
ramp up the teamで「チームを増強する」という意味です。目的に向けて強いチームを作る、つまり、人員拡大する、能力ある人を投入する、というときに使います。