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多様性が低い組織で起こる、危険な意思決定パターン

多様性が低い集団で起こりやすい集団心理を「グループシンク(集団浅慮)」といいます。自分たちの集団に対する過度な信頼や楽観主義によって実力を過大評価し、リスクや、自分たちの集団の外にいる人たちの実力を過小評価してしまうのが特徴です。

自分たちと異なる意見、不都合な情報を排除しようとするため、リスク管理機能を著しく低下させます。つまりグループシンクは、間違った判断を引き起こし、自分たちの集団全体をリスクにさらしてしまう、危険な意思決定パターンなのです。

多様性のないメンバーのみでの意思決定は、どんな結果に陥りやすいのでしょうか? 米国の心理学者アービン・ジャニス氏による研究で、8つの症状が高まると指摘されています。Think Impacts代表取締役の只松観智子さんは、日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトの取材で、次のように説明してくれました。

「自分たちの集団に対して過大評価する/過度な楽観主義、『自分たちは正しい』と思い込み、道徳や倫理を無視する/外部の集団の弱点を過大評価し、能力を過小評価する/外部からの意見や警告を無視する/都合の悪い情報を遮断する/集団の決定に異論を唱えるメンバーに圧力がかかる/疑問を持たないように自己抑制を行う/全員の意見が一致していると思う、などがグループシンクの具体的な症状です」(只松氏)

もし、このような状態で経営会議や幹部会議が行われたら、その組織はどうなると思いますか? 考えるだけでゾッとしますね。ですが、あなたも組織内で小さな違和感を普段から感じていませんか?

「上の意見におかしいと思っても逆らえない」「忖度だらけの社内政治をバカバカしいと思う」などの気持ちは、あなたが本来持っている多様性への欲求やジレンマです。そしてその感覚は、健全な組織づくりに必要なものなのです。

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