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360度見渡すための「心構え」

――デザイン思考とアート思考の違いは何ですか。

デザイン思考は創造的な解決策を生み出す一方、アート思考は創造的な問いを生み出すとされる。デザイン思考は既にビジネスのプロセスの一部となり、サービスや製品を形作るための解決策として浸透しつつある。進むべき方向が決まっている際には、有効な方法だ。

これに対してアート思考は、あっちなのか、こっちなのか、進む方向を360度見渡しながら考えるところに特徴がある。会社の上司から仕事が与えられた時、「そもそもこの仕事をやる意味があるのか」と疑問を持つことがあるだろう。私たちはついつい「何のため」という基本的な問いを忘れがちだ。そこにアート思考の出番がやってくる。

私たちは小さな子どもだった頃、質問ばかりしていたのではないだろうか。しかし学校で答え方ばかりを学習するうちに、知識ばかりが頭の中に詰まってボックス化し、問いかけることを忘れていないだろか。アート思考は、身の回りへの好奇心をリセットし360度を見渡すための「心構え」なのである。

アート思考は未来に向けて360度見渡しながら考える© Ars Electronica Futurelab

アート思考は未来に向けて360度見渡しながら考える© Ars Electronica Futurelab

アルスのアート思考の特徴は、「アート」「テクノロジー」「社会」という軸を持つことだ。私たちはコレクターや投資のためのアートではなく、未来の社会を描くメディア・アートを扱ってきた。そこには最新テクノロジーも含まれる。1979年に誕生してから42年間、同アートを定点観測してきた。また、世界中のアーティストが集まってきている。こうした背景があるからこそ、世界の有力企業がアルスと連携してくれるのだろう。

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