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日系企業の閉鎖性に課題があるという大滝教授

日系企業の閉鎖性に課題があるという大滝教授

同調査によると、14年の選択順位は企業のブランド、製品・サービス、企業規模の順だったが、22年は成長のための育成の機会、報酬・福利厚生、事業の成長性に変わった。大滝教授は「特にZ世代と呼ばれる20代は、大企業志向よりも個人にとってプラスになるか否かに基準が置き換わっている」という。

かつて日系企業で働く障害は圧倒的に言語の壁だった。しかし、22年は言語に次いで、閉鎖的な雰囲気、限定的な昇進、低い報酬を問う声が高まっている。日本の会社の課題は言葉の問題以上に「島国根性」とも呼ばれる閉鎖性なのかもしれない。

現地人材を育てて権限委譲を

日系企業がアジアの高度人材から選ばれるにはどう変わればいいのか。前出の中国人女性は「若手人材のトレーニングの機会を増やし、成長のための場数を踏ませて、権限を大幅に委譲することが大事だ」と指摘する。

中国のIT系企業は30代のリーダー人材に権限をどんどん委譲、最新のテクノロジーやマーケティング手法も駆使して世界市場でも急成長を始めているという。

「日本企業はホウレンソウ(上司への報告・連絡・相談)が大事だと言うが、外国人を信用していない、任せてもらえていないと感じることが多い」とも語る。アジアの日系企業は現地社員が新規事業などを提案した場合、現地法人の上司に報告された後、本社で検討、協議されて承認を得るケースがほとんどだ。これではどんなに優れた提案でも、事業開始には大幅な時間がかかる。

現地の市場をもっとも熟知しているのは、本社の人間ではなくローカルスタッフ、権限委譲は大きな課題だろう。

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