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50代に求められるリスキリングとは

では、いったい何を学び直せばいいんでしょうか。どうも、「プログラミングスキル」や「IT・DX・AI関連スキル」といったものが王道のように言われている気がしますが、50代のリスキリングもそういったものが求められるのでしょうか。

あるいは「スキル」とありますが、実際自分でそれをやる「技術・技能」が求められるのでしょうか。

たしかにそれができるようになるのもすばらしいことでしょう。しかし、50代だからこそ、学びやすく、また活用しやすいリスキリングがあるのではないかと私は思うのです。

株式会社学情が20代に聞いたリスキリングについての調査では、身につけたいスキルについて下記のような結果になっていました。確かにプログラミングやIT・AI、データ分析・統計解析などが多くの支持を集めてはいますが、「マーケティング」「マネジメント」「財務・経理」「セールス」などの項目もあります。

これはひょっとして、「まったく新しい何か」を学ぶというよりは、これまで私たちが経験してきたことを深めたり、改めて体系として学ぶことでも、十分に価値のあることになるのではないか、と思うのですがいかがでしょうか。

2022年 株式会社学情「リスキリングに関するアンケート調査」より

2022年 株式会社学情「リスキリングに関するアンケート調査」より

また、この調査は20代向けですが、あなたが経験してきたことを、若手にわかりやすく伝えることでも、リスキリングの一端を担えるのではないか、とも思います。

実は企業の人事評価会議で議論になることは、50代がリスキリングしないことではなく、今ある力を発揮しないことであることが多いのです。

これらを踏まえて、この連載では、50代が、いま、これから、何を学ぶべきなのか、50代でも十分できる、挫折しないリスキリングを考えていきたいと思います。

西尾 太(にしお ふとし)
フォー・ノーツ株式会社代表取締役社長。人事コンサルタント。「人事の学校」主宰。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリエーター・エージェンシー業務を行う。 クリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで1万人超の採用・昇格面接、管理職研修、階層別研修、人事担当者教育を行う。パーソナリティーとキャリア形成を可視化する適性検査「B-CAV test」を開発し、統計学に基づいた科学的なフィードバック体制を確立する。中でも「年収の多寡は影響力に比例する」という持論は好評を博している。著書に「人事の超プロが明かす評価基準」(三笠書房)、「超ジョブ型人事革命」(日経BP)、「人事の超プロが教える 会社員 50歳からの生き残り戦略」(PHP研究所)などがある。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。

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