社会人1年目から成果MAX 仕事と学びの超速サイクル
立命館大学 西山昭彦 (1)
大リスキリング時代の転身 成功と失敗の研究
仲間と楽しむ堤さん
過去に身につけてきたスキルだけでは、ビジネスパーソンの多くはもはや戦えないという意味で、現在は「大リスキリング時代」と言えるのではないか。人工知能(AI)をはじめとしたテクノロジーの発達により、長年の経験や過去の類似例に頼るだけでは、ビジネスが立ちゆかなくなっている。
では、仕事と学びの両面で不断の変化を求められる世の中にあって、成功する人に共通する法則はあるのだろうか。逆に、典型的な失敗要因とその回避策はどうだろうか。実在のビジネスパーソンの事例を分析することで、連載を通じて答えを探っていきたい。
なお、分析対象は社内、社外両方とする。ちなみに私自身は、ただの「サラリーマン」からスタートし、20代で海外の大学院に行き、30代で国内の大学院で博士号をとった。学びやリスキリングに関しては多少なりとも実践知があるのではと思っている。では、1回目は入社したてのこの人からだ。
最前列に座っていた学生

留学先の堤さん(前列左から3番目)
私が担当した立命館大学「仕事とキャリア」の授業に、いつも最前列に座る印象的な学生がいた。真っ先に手を挙げて鋭い質問をする。名前は堤光太朗さん。留学、就活、内定、そして社会人として目に見える成果を挙げ、瞬く間に転職していった。リスキリングを志向する読者が堤さんから学べるのは、仕事と学びを超スピードで回していくという、まさに「いま」求められるスキルだ。
まず、堤さんのこれまでをふり返ってみよう。その後、詳しい分析を試みるので、しばしお付き合い願いたい。