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データサイエンティストのキャリアパス

キーエンスのデータサイエンティストには、私のようなメーカー出身者もいれば、保険会社などの金融機関、通信会社、コンサルティング会社、テック企業、官公庁の出身者まで、実にさまざまです。

理系じゃないとダメと思われがちですが、そんなことはありません。実際、私がサポートしているお客さまの多くは文系出身で、営業企画やマーケティング、人事などの分野で働いてこられた方々です。

複雑な数式が書けなくても、ビジネスセンスを持っている人の方が成長できるという。

複雑な数式が書けなくても、ビジネスセンスを持っている人の方が成長できるという。

かつては分析するのに自分で複雑な数式が書ける必要がありましたが、今は便利なツールがたくさんありますから、3つのステップの2番目の「解く」は、最初の段階ではその種のツールを使いこなせればいいのです。

ですから専門的にデータ分析を学んでこなかったとしても、「課題を見つける」と「使わせる」に関して勘所がわかっている人、例えば「こういう顧客層にアプローチできたら効果が大きそう」とか「どうやったら現場に抵抗なく受け入れてもらえるか」がわかっている人は、大きな成果を出せることが多いです。

特に基本的なビジネスの知識があって物事を深く考えようとする人、なおかつ、ある程度考えたら悩みすぎずにとりあえず試して、PDCAを高速回転できる人は短期間で大きく成長できるはずです。

データサイエンティストの次のキャリアについては、歴史が浅い職種なので、決まったパターンが存在するわけではありません。どのスキルをとがらせていくかで選択肢はいろいろ出てくるでしょう。

分析の道を極めて機械学習エンジニアリングのプロになるのもよし。データを現場に生かすのが得意であれば、優秀な営業パーソンとして活躍することもできるはずです。課題設定や現場折衝のスキルを極めてビジネスモデル作りや経営戦略などに関わっていく道もあると思います。

非IT業界でもニーズ増加 即戦力人材は年収1千万円以上も

(ビズリーチ・ビジネス開発部統括部長の伊藤綾さん)
 転職サイト「ビズリーチ」に掲載されるデータサイエンティストの新規登録求人数は、年々増加傾向にあり、IT・インターネットだけでなく、メーカー、金融など非IT業界にまで広がりを見せています。また、当サイトを活用する企業の採用担当者がスカウトを送るために検索する際の「検索キーワード」の中で、前年よりも上昇したワードを調査したところ、2022年は「Python SQL」「データサイエンティスト」が11位にランクインし、採用強化の動きが顕著でした。
 企業からのニーズが高いからこそ、現在は業務に挑戦しながらスキルを習得し経験を重ねることができる環境でもあります。データサイエンティストは習熟度や経験に応じて年収に幅があるものの、即戦力となれば1千万円以上で採用となるケースも多い職種です。

(ライター石臥薫子)

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