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日本ディープラーニング協会専務理事の岡田隆太朗さん

日本ディープラーニング協会専務理事の岡田隆太朗さん

人工知能(AI)とディープラーニング(深層学習)に関する基礎知識や事業で活用する能力を認定する「G(ジェネラリスト)検定」が注目を集めています。日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する社会人向け資格で、2017年に試験が始まりました。IT(情報技術)業界だけでなく製造業や金融機関でも、資格取得者が増えています。

ただ、仕事で役に立ったという資格取得者の実感に比べて、転職市場での評価が追いついていないようです。日経転職版が登録会員を対象に6月から7月にかけて実施した「資格と学び直しに関する調査」では、他者評価より自己評価のほうが高い資格ランキングの2位に、G検定が入りました。JDLA専務理事の岡田隆太朗さんに、G検定の特徴やメリットについて聞きました。

最新トピックを試験問題に反映

――G検定とは、どんな資格ですか。

G検定は、JDLAの人材育成事業の一環として始めました。人材育成のために、ディープラーニング活用のための情報発信、事例の紹介、事業化促進にも取り組んでいます。社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する技術として、AIやディープラーニングの重要性が高まっています。AIを事業に活用するノウハウは、これからのビジネスパーソンには必須の知識になるでしょう。JDLAでは、ビジネスサイドのジェネラリスト向けのG検定のほか、エンジニア向けのE(エンジニア)資格も、18年から提供しています。

――G検定では、どんな分野を評価しますか。

G検定の試験シラバスは、AIの歴史と技術、ディープラーニングの概要や手法、産業での活用事例、数理と統計などで構成され、法律や倫理の議論も含まれます。AIをビジネスで使うには、個人情報保護法や著作権法との関わり方、技術と表現規制とのバランスの議論を避けて通れません。

また、次々に新しい手法や実装例が登場するため、試験問題は最新のトピックがすぐに反映されます。例えば、直近3回の試験には、脚光を浴びている生成AIに関する出題がありました。

――G検定を取得すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

G検定を通じて、AIで何ができて、何ができないか理解できます。AIは、何でもできる魔法の杖ではありません。将来できるようになるかもしれないが、今はここまでしかできないという境界が分かります。すると、事業でAIをどう活用したらいいのか、ここで使ったらどうなるのかといったAIの使いどころを知っている人材になれます。

日本のエンジニアは優秀で、いったん必要となれば技術のキャッチアップが早い。一方で、エンジニアではないビジネスサイドのAIリテラシーでは、後れを取っています。文系のビジネスパーソンがAIの知識を持てば、新しい発想が生まれるでしょう。日本の競争力向上のためにも、ビジネスの企画段階からAIの活用を視野に入れ、使いどころと成果を見込んだ事業開発ができる人材をもっと増やしていきたいと考えています。

――試験の概要を教えてください。

知識に関する多肢選択式の出題が約200問で、試験時間は120分です。オンラインで受験できます。受験資格はなく、誰でも何回でも受けられます。費用は税込みで、一般が1万3200円、学生は5500円です。合否結果と分野別得点率は受験者本人に結果通知としてお送りしています。また合格基準については、受験者本人への通知ならびに公表はしていません。合格率は過去実績として60〜70%程度です。

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