起業人材育てるDeNA 人事が薦めるリーダーシップの本
社会人1年目の課題図書
DeNAで新卒採用を担当する小川さん。本は電子書籍で読むという。
1999年創業のDeNAは日本有数のメガベンチャー。ゲームやライブ配信などのエンターテインメント領域と、ヘルスケアなど社会課題の解決にも事業領域を広げている。就活生の間では「東京大学をはじめとする難関大学の出身者が多い」というイメージも強いだろう。
同社で新卒の採用と育成を担当している小川篤史さんが新入社員や若手社員に薦めるのは、『企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ』(日経BP)だ。「この本がフォーカスしている『ダイナモ人』は、人事としてこんな考え方を身につけて成長してほしいと期待する人材像そのもの。語り口は『ダイナモ人が活躍する組織を作るには』という組織のリーダー視点になっているので、就活生や若手には、『なぜこれがお薦め?』と思われるかもしれないが、ぜひそのエッセンスを読み取ってほしい」と話す。
ダイナモ(Dynamo)とはもともと「発電機」を指す。同書では「ダイナモ人」を「利他的な目的を掲げ、できない理由よりできる可能性に着目し、圧倒的熱量と行動力を伝播させながら人を巻き込む力を持つ人」と定義する。変革のリーダーや、イノベーションの先頭に立つ人はほぼ例外なく「ダイナモ人」だという。
著:知的創造プリンシプルコンソーシアム
出版:日経BP

同書では冒頭、多くの企業が叫ぶ変革やイノベーションは近年、失敗に終わるどころか「口先だけで本気で取り組まれてもいない」と厳しく批判。それは「計画」や「分析」「確実な実行」にたけ、これまで「優秀」とみなされてきた人材ほど、リスクを恐れ「バッターボックスにさえ立っていない」からだという。
小川さんは、「優秀」の定義の変化についてこう語る。