変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

ただしマネジャーとして求められる役割を果たしたいなら、マネジャーとしての汎用的な人材育成法を表面的に学ぶよりも、まずは自己育成に徹底的に取り組んでみてはいかがでしょうか。自己育成の体験を部下育成にそのまま当てはめられるとは限りませんが、とてもよい練習になります。

例えば営業部門でマネジャーになったなら、営業とは何かを一から改めて学びます。これを通じて、これまで蓄積した経験値を学問で整理するのです。自分の経験をいったん整理・体系化してみることは、自分の成長、つまり自己育成につながります。

具体的には、営業に必要な「伝える力」「聞く力」「交渉術」など、改めて学び直したうえで自分なりに体系化してみてはいかがでしょうか。その成果は、マネジャー自身が経験によって得た学びと学問的な学びが融合した、とても強力なノウハウになります。これを部下育成に役立てるのです。

関心が持てないマネジメントスキル解説書を何となく読むよりも、自分の経験を体系化してみる。そして不完全ではあってもマニュアルにして、部下育成に活用する。年始こそ、そんな取り組みをお勧めします。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
[日経 xTECH 2023年1月5日付の記事を再構成]

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