5年後までのITロードマップ 技術動向を分析し示す
紀伊国屋書店大手町ビル店
ビジネス書・今週の平台
ビジネス書の棚端の平台に面陳列と平積みで展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)
本はリスキリングの手がかりになる。NIKKEIリスキリングでは、ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチし、本探し・本選びの材料を提供していく。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。人の流れが戻ってきて、最近はインバウンド客の姿もよく見かけるようになった。店頭売り上げベースでは前年同月を1割程度上回る水準だという。そんな中、書店員が注目するのは、IT(情報技術)関連の技術動向を5年単位で予測してきた野村総合研究所(NRI)グループによる予測本シリーズの最新版だった。
5年後の重要技術に着目
その本は野村総合研究所IT基盤技術戦略室・NRIセキュアテクノロジーズ『ITロードマップ 2023年版』(東洋経済新報社)。同戦略室はITアナリストの専門集団。IT分野の技術動向を把握、分析、予測を主な業務とし、IT投資や研究開発の戦略立案も手がけている。NRIセキュアテクノロジーズ(東京・千代田)は同グループのセキュリティー専門企業で、両社のリサーチャーやアナリスト、コンサルタントらが分担執筆したのが本書だ。
初めて刊行されたのが2006年版で、今回の2023年版が18冊目になる。その時々の重要技術に着目し、詳細な解説を加えることで、一般のビジネスパーソンに向けてバズワードが飛び交う変化の激しいITの技術動向の理解を促してきた。
第1章第2節の「2023年の技術展望」で掲げたテーマは5つ。「真価が問われるWeb3、メタバース、NFT」「ソフトウェア開発の進化」「量子技術の進展」「スーパークラウドの登場」「コンテンツ生成AIに関する議論の成熟」の5テーマが概観される。いずれもここ1年、ニュースなどで新しい動きが出ているテーマだ。
ここで概観したテーマを軸に深掘りしていくのが、第2章「5年後の重要技術」。こちらでは「メタバース」「バーチャルヒューマン」「オルタナティブデータ」「AI拡張型ソフトウェアエンジニアリング」「量子ネットワーク」「ワイヤレス給電」の6つを取り上げる。