変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

私自身はこの数年、不動産オークションをはじめ、さまざまな企業案件で「経済学」をビジネスに実装しようと活動しています。その中で感じることは、「経済学」がどのような場面で活用できるかを理解している人が少ないこと。そして、ビジネス課題を経済学で解決できる可能性があるということに気づいていない人が多いことです。

そもそも「学問」は、一部を除いて、実社会で役に立つと考えられていない節があります。そんな、何ができるかわからない「学問」に頼ろうとは、そもそも誰も思わないですよね。現状、「経済学」でできることを、広く伝える場はあまり存在しません。各研究者が、自分の専門分野について発表するということはあっても、そこでは経済学を広く理解する場とはなりません。やはり、ビジネスパーソンには、どのような学知があるかを知ることが最初の第一歩だと思っています。

まずは広く知ることから

ビジネスパーソンがビジネスで「経済学」を活用するために学ぶとは? まずは「1つの分野を深く学ぶ」というよりも「経済学を広く知る」ことを意識するとよいと思います。当然、専門性を高めるために深く学ぶことは、もちろんとても重要なことです。しかし、今回の目的は、「ビジネス」に活用すること。経済学のエキスパートになることではありません。自分たちのビジネスに、どんな学知が活用できるか。そのために経済学ではどのような研究分野があるかを幅広く知ることをお勧めします。幅広く触れてみると、「この研究分野は自社のビジネスに活用できるかもしれない」と感じる研究が見えてくると思います。

活用できそうな研究が見えてくると、次はビジネス現場でどう生かすかです。ビジネス領域で活用するときは、学知だけがあればいいというわけではありません。

その業界ごとの環境や商慣習によって、学知にさまざまな調整をすることが重要です。そのためには、ビジネスパーソンと経済学者が一緒に検討・検証することがとても重要になってきます。

最近では、「メルカリ」が博士課程進学を支援すると発表したように、その重要性に気付き始めたIT企業などが、社内に経済学者を採用したり、大学院などに送り込んだりしています。ようやく、日本でも「経済学」がビジネス成長の「武器」だと認知され始めたと実感しています。

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