博士人材は起業家向き 世界から早稲田で学び直し
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早稲田大学ビジネススクールの牧先生
慶応SFC出身の起業家と山形で交流
――多くの起業家とつながり、スタートアップ支援にも関わっていると聞いています。慶応義塾大学の先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)との関係も深いですね。
緑豊かな山形の庄内地方に鶴岡サイエンスパークがあり、その中核施設として慶応の先端研があります。私も元々SFC(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス)出身ですので、早い段階から先端研発のバイオベンチャー企業と交流してきました。中でも関山和秀さんが率いるスパイバーは、世界初の合成クモ糸繊維の量産化で一躍有名なベンチャーになりました。
このサイエンスパークには宿泊施設を含めた街づくりを担う「ヤマガタデザイン」というユニークな会社があります。教育や観光、農業などをテーマに活動を広げて、全国から多彩な人材を集めています。この会社を創った山中大介さんもSFC、スパイバーの出身です。
自分たちの成功要因を「アイデンティティの脱皮をしてきたことだ」と語っていました。会社のDNAというベースは変えないが、従来の既成概念を次々脱ぎ捨て変化してゆく企業が強いのだという意味だと思います。スパイバーも試行錯誤を繰り返し、成長を遂げてゆきました。