スシロー、原価率50% 業界首位を支える薄利多売
回転ずし「スシロー」(上)
ヒットの原点テークアウト事業に本腰 フレンチシェフとコラボ
2010年には「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトを抜いて売上高で業界トップに躍り出た。以来、10年連続で1位の座に君臨してきた。店舗数は600店を超え、1店舗あたりの平均売上高も外食全体で高いレベルを誇る。
コロナ禍を受けて、テークアウト事業に本腰を入れ始めた。21年2月から展開し始めたのがテークアウト専門店「スシローTo Go」。駅改札口近くや商店街などへ実験的に出店し、手応えをつかんだことから、出店を加速する計画だ。「依然としておうち需要が堅調に動いている。今までのテークアウト事業はイートインの延長線上だったが、独自に進化する必要がある」と、堀江社長は説明する。

あきんどスシローの堀江陽社長(左)とsioオーナーシェフの鳥羽周作氏
ポイントはメニューの鮮度だ。テークアウト専用商品の開発では第1弾として、東京・代々木上原のミシュラン1つ星フレンチレストラン「sio」のオーナーシェフ、鳥羽周作氏とコラボレートし、「すき焼き海鮮しゃり弁」を発売した。ほどよい甘みがあるスシローのシャリの上にのっているのは、甘辛く仕上げたすき焼きの牛肉のほか、数の子、大えび、いくら、ホタテ貝柱など、スシロー自慢の海鮮の数々。時間が経っても味が落ちにくい点も工夫した。「『さめてもおいしいすし』という鳥羽さんの発想が開発の決め手になった」(堀江社長)