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――結果が採用可否に影響することもあると聞きます。どのように提供しているのですか。

「点数が基準を下回った場合にback check上でアラートを表示しますが、結果をどう扱うかは各企業の判断に委ねています。日本企業の課題は、その判断軸を持っている企業が少ないこと。1、2年ほどリファレンスチェックを実施し続ければ、運用を通してその結果と入社後の活躍度の相関関係を分析し、評価軸を作り上げることができます。企業が持続的に自走できるよう、サポートをしていきたいと考えています」

続いて20年からback checkでリファレンスチェックを実施している、あるベンチャー企業の人事担当者・Aさんに導入理由や運用方法、課題について聞きました。

結果よくても年収・役職には影響せず

――リファレンスチェックを導入した理由は。

「選考の判断に使うというより、入社後のオンボーディング(早期に組織になじみ、活躍できるよう周囲が支援する)を見据えた材料を集める、面接だけでは得にくい情報を得るといった目的で導入しました。明確なミスマッチがわかれば採用を見送ることもありますが、基本的には採用とは切り離して考えています。リファレンスチェックの結果がよくても、年収や役職が上がることはありません」

――リファレンスチェックを実施するタイミングや人数を教えてください。

「2次面接通過後、最終面接前に、現職の上司1人と同僚1人の計2人に依頼します。回答に主観が入ることを前提として、必ず複数人に依頼を求めます」

「原則として2次面接を通過した全員が対象ですが、『候補者のプラスになるように』という観点から、現職場での依頼が難しい時には相談のうえ、前職や副業先への依頼も認めるなど柔軟に運用しています。他社の選考が進んでいて時間に余裕がない場合は、リファレンスチェック自体を省略して選考することもあります」

――候補者から「同僚への依頼が難しい」と言われた場合、社内の人間関係形成がうまくできていないのでは、と判断しますか?

「懸念事項にはなります。最終面接で確認をとれるのであれば、社内の人との交流方法や関係について深掘りします。そうして実際に話をしたときの温度感も判断の参考にします」

――リファレンスチェックの結果が著しく悪かったら、どのようにしていますか。

「面接官と経営陣に伝え、面接ではどうだったかを確認してもらいます。結果を得られたのが最終面接後だったら、再度面接をする可能性もあります。リファレンスチェックの結果と面接内容をまとめ、入社後に育成して対処できる範囲内で、一緒に働きたい人物だと判断すれば採用します」

――課題はありますか。

「選考フローに『リファレンスチェックあり』とあるだけで抵抗感を覚える人もいるようです。具体的なデータがあるわけではありませんが、スカウトの返信率が下がる傾向にあると思っています。応募数が減ると分かっているのに、わざわざリファレンスチェックをする必要があるのかという議論になったことはあります」

「本来は、面接官のトレーニングなどで面接の質を上げ、費用をかけずにマッチングの精度を高めることが理想。ただ、採用にかけられるリソースに限りがあることも事実です。『採ってはいけない人を採用してしまう』リスクを回避するためには、少なくとも必要だと考えています」

――印象的だったリファレンスチェックの回答はありますか。

「愛のあるコメントは読んでいてわかります。面白いのは、自由記述の回答内容によって職場での関係性が見えてくること。採用側にとっては内容が細かいほど候補者の情報を得られるメリットはありますが、推薦者には『●●さんのためを思ったらきちんと書かなければ』とプレッシャーがかかります。真面目な人ほど負担は大きいかもしれません」

「選択式と記述式のバランスをとり、回答負担が減ることもリファレンスチェック普及のカギではないでしょうか」

(日経転職版・編集部 木村茉莉子)

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