変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

日経ビジネススクールオンデマンド「ステークホルダーマネジメント講座」より

日経ビジネススクールオンデマンド「ステークホルダーマネジメント講座」より

このように2つの次元でステークホルダーを分析することで、個々のステークホルダーに応じた戦略を考えていくことができるのです。

エンゲージメントを引き出す影響力の法則

影響力とは「他者の行動・考え・感情に変化を及ぼす力」と考えられています。私たちは、権威や権限のある人から影響を受けます。一方で、権威や権限以外にも、対人関係影響力・共感影響力・役割関係影響力といった影響力を受けることがあります。

日経ビジネススクールオンデマンド「ステークホルダーマネジメント講座」より

日経ビジネススクールオンデマンド「ステークホルダーマネジメント講座」より

ここで注目したいのは、必ずしも権威や権限がなくても影響力を発揮できるという点です。影響力は誰にでも発揮できる力です。背景にあるメカニズムを理解し、あらゆる状況でこの力を生かすことができれば、ステークホルダーのエンゲージメントを引き出すことができるはずです。

相手を動かす「カレンシーの交換」

影響力のメカニズムのことを「カレンシーの交換」と呼びます。これは、互いが価値を感じるモノやコトを交換することで、相手を動かせる方策です。エンゲージメント戦略の中で中心となるのが、このカレンシーの交換です。

私たちは様々な交換を通じて人間関係・社会関係を築き、発展してきました。これは、例えば「労働と賃金」あるいは「思いやりと仕事」など、ビジネスにおいても基本的には同じです。この交換が円滑に進んでいるときは、プロジェクトも業務もうまくいくはずです。

具体的にビジネスの現場で交換されているカレンシーは、大きく5つのカテゴリーに分けることができます。

・役に立つこと……素早い対応・リソース、情報の提供、挑戦の機会
・気分が高まること……ビジョン、大義、卓越性
・認めること……承認、尊重、接点、良い評判
・気持ちを支えること……傾聴、共感、親身な対応
・他にあなたにできること……感謝、励まし、安心感

影響力を発揮しエンゲージメントを引き出すことが上手な人たちは、カレンシーのバリエーションをたくさん用意し、状況に応じて使い分けられるようにしています。カレンシーの交換を戦略的に実行することで、ステークホルダーのエンゲージメントを引き出すことができるのです。

まとめ

今回はプロジェクトにおけるステークホルダーの分析と、エンゲージメント戦略などを学びました。ステークホルダーマネジメントを通じて複雑で難しい仕事も円滑に遂行することができれば、自分自身のキャリアアップにつなげていくこともできるでしょう。

日経ビジネススクールオンデマンドの「ステークホルダーマネージメント講座」

ステークホルダーマネジメントについてさらに知りたい方はこちら

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック