三菱地所の敏腕営業マン なぜ旅アプリの社内起業家に
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三菱地所でイントレプレナーに挑んでいる米田さん
米田さんは滋賀県大津市の出身。関西屈指の進学校、洛南高校から大阪大学経済学部に進学して05年に三菱地所の東京本社に入社した。大阪・梅田の大規模都市開発「グランフロント大阪」のテナント誘致の営業マンとして活躍、大きな成果を上げた。屋外スペースでストリートダンスなどを仕掛け、マーケティングにも熱を入れた。「街づくりにはブランディングが重要、ハードとともにソフトが大切だと気づいた」という。
有楽町に起業家育成拠点、自分も挑戦
18年に東京に戻り、スタートアップの事業支援を担う部署に配属された。三菱地所は、約28万人が働く大丸有エリアで約30棟のオフィスビルを運営管理している。大半のテナントが伝統的な大企業だが、新規事業の創出を模索している会社も少なくない。
そこで同社は有楽町地区にインキュベーター拠点を設け、各テナント企業向けに「思いつきを形に イントレプレナーになろう」という趣旨のリブランディング事業「SAAI Wonder Working Community」企画を立ち上げた。ここで米田さんはIT関連の多様な人材と出会った。
「自分でやってみないと分からないな」と考えた米田さんは、自身でイントレプレナーに挑戦することにした。「地域の価値を高めるため、旅アプリをつくれば」などのアイデアは浮かんだが、事業化の道のりは試行錯誤の連続だった。
BtoB向け営業マンとしては実績もあるが、デジタル経験はゼロだ。もともと同社はBtoC向けビジネスの比重は低く、社内にもデジタル人材はほとんどいない。そこでSAAIでつながった外部メンバー4人とチームを組んだ。
UI/UXなどソフト開発やPRなどマーケティングのプロと対話を始めた。いずれのメンバーも副業として参加してくれた。旅に関心のあるユーザーを獲得するためには、魅力的なコンテンツが必要だ。