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パワーBIは動くリポート、意思決定をスピード化

これまではエクセルやパワーポイントを駆使して書類や資料を作成し、月末や期末など、ある特定の時点や条件のデータを上司に報告したり、プレゼンテーションしたりするケースが一般的だった。しかし、 パワー BI で資料を作成すれば、上司から「地域別の売り上げは?」「年次別ではなく、月次別の数字は?」と次々質問がされても、その場で条件変更し、必要なデータを瞬時に表示することが可能となる。

同部戦略企画室長の中島ゑりさんは、「 パワー BI は『動くリポート』。今までは上司への報告だけで終わっていたのが、その場で深掘りできるので、報告から議論にプロセスが進展し、意思決定のスピードアップにつながることを実感している」という。設定次第ではデータをリアルタイムで取り込めるため、報告の追加、やり直しなどが大幅に減り、業務効率向上や"攻め"の時間の創出にもつながる。

広瀬さんは、「Power Automate(パワーオートメイト)」や「Power Apps(パワーアップス)」など次々パワー系ツールのスキルを取得中だ。ワークフローを自動化したり、ノーコードで簡単なアプリをつくったりする機能がある。「動画を見ながら、自分で手を動かすと、感覚的に使えるツールなのでだんだん使いこなせるようになった」と笑う。他部署の社員への伝授も始まっている。

18年入社の文系社員、短期間でDX推進役に

DX人材に認定された入社5年目の若手、入村さん

DX人材に認定された入社5年目の若手、入村さん

同時期に同僚となった入村隼斗さんは、会社単位のDXプロジェクトを支援できるほどのスキルを身につけた。18年入社の入村さんは「大学ではスペイン文化を専攻、デジタルとは無関係だった」。しかし、今は組織内のデジタル関連のナレッジ(知見)共有の場をリードしているだけでなく、組織メンバーの要望も取り入れながらオリジナルのアプリを開発。オンライン上でも各発表の反響を発表者・聴講者がリアルタイムで共有できるコミュニケーションアプリでオンライン会議を盛り上げている。

さらに入村さんは、各事業部と関係会社の業務上の課題を洗い出し、DX推進に取り組んでいる。現在も多くの取引先とは紙の請求書でやり取りしているが、光学式文字読み取り装置(OCR)を活用したデジタル化を支援、業務改善を推し進めている。「何から手を付けていいか分からない」と嘆く関係先の社員にも「一つ一つ丁寧に、雑談を交えながら、ITツールの普及を図っている」

入村さんはビジネスとデジタルに精通し、プロジェクトを主導する人材として、社内で「DX人材」に認定された。22年10月時点で認定者は64人。認定プロセスを通じ社内のDX案件が可視化されたことで、身近な業務にもDXの種があることが社内に認知されつつあり、人材育成に加え社内のDX推進にも一役買っている。

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