変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

学ぶきっかけも自分で決める

チャレンジしようとした際に、自分に十分なスキルがないことに気づくかもしれません。そんなとき、会社側に教育の仕組みを求める人たちもいます。けれどもそれは本末転倒です。

チャレンジするための準備は、自発的に始めなければいけません。

会社によっては、新しいことを学ぶための支援を手厚くしてくれている場合もあります。外部研修受講を補助してくれたり、資格取得に一時金を支給したりする例は数多くあります。

ただ、私は新しいことの学習に対しての補助や修了時点の一時金、手当支給の制度などを設計してきましたが、伸びる人は制度を意識しないことが多いことに気づきました。制度があるから学ぶのではなく、常に自発的に学び続けています。

それも、必要だから学ぶというよりは、興味があるから学ぶことが多いのです。

デジタル人材になるためにプログラミングを学ぶのではなく、ゲームを作れたら面白そうだから学んでみた、というようなきっかけです。このタイプの人は常に今必要なこと以外にも興味を持ち、いろいろな情報を集めています。そんな中で、もう少し深掘りをしてみたり、今持っている知識や経験につなげて応用してみたりします。そのような行動を通じて学び、新たなスキルや知識、経験を獲得しているのです。

ジョブ型人事の世界では、チャレンジする人にチャンスが与えられます。そのためには、今までもっていなかったスキルや知識が必要な場面も多々あります。ぜひ自分でそれらを取りに行ってください。

リスクをとるための軸を持とう

チャレンジと自発的な学びは、時に人生を変えてしまう大きなチャンスを与えてくれます。社内の大きな責任のあるポストへの任用や、業界をまたがる転職など、自分の居場所を変えることで、リスクを取りながらもさらに大きなリターンを得られるきっかけが手に入ります。

そんなとき、自分はなんのためにビジネス社会で行動しているのかを考えてみてください。

やりたい仕事があるから行動しているのか、誰かを幸せにしたいから行動しているのか、なりたい自分があるから行動しているのか。その軸を思い出し、リスクを取ってみてほしいのです。

軸はやがて変化することもあります。一人の時の軸と、家族を持った時の軸は変わることが多いでしょう。また、一定の成功を収めたのちに軸が変わることもあります。それでも、今自分が持っている軸がなんなのかを意識すれば、ただ流されるよりも、望んだキャリアを得やすくなるはずです。

 平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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