東大理3合格トップは女子校 桜蔭が灘高超えのわけ
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神戸市にある灘中学・高校
東京や関西のトップ進学校の生徒が集う進学塾「鉄緑会」の冨田賢太郎会長は、「コロナ禍できちんと勉強をする生徒が結果を出す傾向にある。桜蔭生は典型的なそのタイプだ。男子は気が散って、集中できなかった生徒もいるが、真面目な女子は計画的に学習に励んでいた」という。理3合格者の5割強はこの鉄緑会出身、もちろん桜蔭生も少なくない。
理3入試はジェネラリストの方が有利
理3は「天才集団」とも呼ばれるが、冨田会長は「実はジェネラリストの方が有利。数学の天才だが、国語が今一つでは合格はおぼつかない。国英数理でいずれも高得点しないと受からない」という。そういう意味では努力型の桜蔭生には向いているのかもしれない。
実はこれまで理3合格トップを走ってきたのは灘高だった。13年には27人が合格するなど約3割を灘出身が占めたが、20年に14人、21年に12人、そして今年10人と3年連続で合格者が下がっている。しかし、冨田会長は「東大理3に合格できる実力がありながら、理1に回る灘生もいる」という。
灘高のある教師は「灘の生徒は自分の自由な意思で志望先を決める。常に成績トップ層が理3を目指すわけではない。今年、トップは京都大学に進んだ。IT系などに興味があると理1などの工学系に進む生徒も増えている」という。灘高も3人に1人が国公立大学の医学部に進むが、コロナ禍もあり、地元志向が強まっている。京大医学部医学科には22年は20人が合格した。灘高の理3離れが進んでいるようだ。