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医学部入試、女子の合格率が男子を上回る

「女子生徒の方が医学部志向が強くなっているのではないか」と開成の野水勉校長はこう話す。41年連続で東大合格トップを走る開成。22年の合格者数は前年比34%増の193人と躍進したが、理3合格者数は後退した。一方で理1は前年比53%増の89人と過去最高水準の合格実績となった。東大合格率でトップの筑駒も理1の合格者が全体の6割を占めている。男子のトップ校では、異常とも言える医学部ブームが一段落して理3から理1への流れが強まっていると言えそうだ。

「医師になるより、AI(人工知能)で起業した方がもうかるし、面白いのでは」(灘高出身の東大工学部3年生)という男子学生も増えている。実際、経済産業省がまとめた20年の大学発ベンチャーの数は東大が323社と急増しており、大学別では断トツだ。

一方、ビジネス界では大企業トップはいまだに男性が圧倒的で、成功した女性起業家も少ない。桜蔭出身者も著名な医師や弁護士はたくさんいるが、実業界では影は薄い。さらに弁護士など法曹界や官僚の人気も下がっているため、成績優秀な女子生徒は、医学部志向が一段と強くなっているのだ。

文部科学省の21年度の大学入試調査によると、全国の医学部医学科の入試で、女性の合格率は13.60%となり、男性を0.09ポイント上回った。合格者数の男女比は現在6:4だが、女子が男子と並ぶのは時間の問題。桜蔭出身者が「白い巨塔」のトップに立つ日も近いかもしれない。

(代慶達也)

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