変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

「次は、副業案件の選び方です。報酬重視なら自分が強いと思う経験でジョブ(職務)を探したり、自分で報酬を決め、提案したりしていきます。報酬の設定で迷ったときは応相談としておいて、打ち合わせの段階で企業の予算をつかみながら提案するとよいでしょう。副業で経験を積みたい、新しいキャリアをつくりたいという経験重視なら、得られる経験を優先して探していきます」

副業者と企業で契約内容を擦り合わせ

「契約では期間と求められるアウトプットを企業、副業者で認識を合わせることが大事です。いつまでにどんな状態をつくらないといけないのか、どんな役割が求められているかを確認し、変更したい点があれば希望を伝えてください。副業人材との契約に慣れていない企業もあります。契約書が送られてきたら、その内容で必ず契約締結をしないといけないわけではないので、双方にとって最適な条件にする意識を持つことが大切です。私が以前副業を行っていた企業では、契約書に必要な内容がほぼ書かれていなかったので、先方と一緒に契約書を作ったこともあります」

「副業が始まったら、企業の求めていることを常に頭に置き、期間と目標にあわせて余裕のあるスケジュールで取り組んでください」

――職種別、年代別でおすすめの副業は?

「どの能力を生かしたいか、報酬かキャリアか何を望むかによって副業の選び方は異なります。誰にでも当てはまるわけではありませんが、今、最もニーズのある分野はDXです。職種に限らず、DXの知見のある人はさまざまな活躍の場があるでしょう。また、コロナ以降に急速に変わったデジタルマーケティング、人事も幅広い募集があり、近接する仕事をしている人はチャンスです」

「一方、営業や事務などは他に外注方法があるため副業案件は少ないです。ただ、営業の中には、テレアポ、ヒアリング、提案書作成、クロージング、など多くのジョブ(職務)があります。職種をジョブに分解すると、ジョブを生かしてできる副業はたくさん出てきます。それぞれの職種の業務プロセス、ジョブの中のどこに自分は一番強みがあるのかを考え、それを軸にして探すと良い副業案件に出合う可能性は上がるでしょう」

「30代、40代の人が自分の専門性をさらに磨くなら、自分の経験と社会ニーズが合致する部分を見つけ、副業で集中的にその経験を積む方法があります。経験と人脈が増えると、数年の間に一人でやっていけるだけの仕事が受注できるようになると思います。ミドル以降で実務作業を減らしたくなったら、スポットコンサル型に移行する手もあります」

「私は今、副業でスタートアップの事業計画のレビューなどをしていますが、新たな人脈ができ、本業につながるような出会いもありました。慣れてくると時間の使い方もつかめるようになります。まずは、やってみることが大事だと思います」

鏑木 陽二朗
2001年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。企業の採用支援や転職希望者のキャリア支援などを経験し、その後複数の部署でマネジメントに従事。11年、プロ人材による経営支援サービス「i-common(アイコモン)」(現「HiPro Biz(ハイプロビズ)」)を立ち上げ、事業責任者として組織をけん引し、21年10月に執行役員となる。22年5月、プロ人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」の立ち上げを行い、HiPro編集長に就任。

(日経転職版・編集部)

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