変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

仮にビジネス人生が40年だとすると1万4600日。これだけの長い期間を歩き続けるには、自分の足に合ったサイズや形の靴を履いているのが一番です。はやっているからとか、格好いいからという理由で選んだ靴では長距離は歩けない。それは仕事も同じだと思います。慣れないうちは「この仕事は自分に合ってないかも」と不安になるかもしれませんが、キョロキョロと周りを気にするより一歩を踏み出してみる。

最初は硬かった靴が徐々に自分の足になじんでくるように、「本当に好きな仕事」を探すより、目の前の仕事を好きになる方が早道というのが私の持論です。靴がなじんでくれば、後はもう毎日前進あるのみ。とにかく目いっぱい歩く。うまくいかなかったり、転んだりすることもあるけれど、なるべく早く立ち上がる。私自身はそうやってここまで歩んできたように思います。

目標に最短距離で到達せず 毎日コツコツ

最近は優秀な若者で「いつまでに◯◯をやる」と目標を立て、そこから逆算して「To Doリスト」を作って日々行動するようなタイプの人が増えているように感じます。優秀だからこそ、それで実際に目標を達成できたりするのですが、ともすると、そこで安心してちょっと一休みとなりがちなんですよね。でも、イソップ寓話(ぐうわ)の「ウサギとカメ」のように、毎日コツコツと休まず歩いた方が最終的には遠くまで行けるし、自分では思ってもみなかったことができるようになったりもします。

だから、目標を立てて最短距離で到達しようという発想はしない方がいいかもよなんて話を若者にすることもあるのですが、あんまり聞いてもらえないですね。せっかくの才能を消費してしまっているようで、私から見るともったいない気がするんですけどね。

健康の話からちょっと脱線しましたが、今はワンコインの血液検査など気軽なサービスもいっぱいあるようですから、毎月検査をお勧めします。

松本大
1963年埼玉県生まれ。87年東大法卒、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券を経てゴールドマン・サックス証券でゼネラル・パートナーに就任。99年マネックス設立。2004年マネックス・ビーンズ・ホールディングス(現マネックスグループ)社長、13年6月から会長兼社長。08年から13年まで東京証券取引所の社外取締役、現在は米マスターカードの社外取締役を務める。

(ライター 石臥薫子)

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