新規事業を科学する 成功の再現性高める方法論を公開
リブロ汐留シオサイト店
ビジネス書・今週の平台20の構成要素から見るフレームワーク提示
このフレームワークはバリューデザイン・シンタックスと名づけられており、サービスコンセプト、競争戦略、利益構造を20の構成要素から見ていくものだ。その構成要素それぞれの解像度を、時には要素間を往復しながら徹底して上げていくことで新規事業の全体像を練り上げていく。
新規事業、事業創造のとらえ方、BTCチーム、バリューデザイン・シンタックスの3つは巻頭の折り込みページに簡潔な表の形でまとめられており、この折り込みに何度も立ち戻りながら読み進めると、内容が頭に入りやすい。
著者によれば、新規事業とは〈無数の選択肢の中で正解がわかりづらい「不確実性」が支配しているゲーム〉だという。「わかっていないことの中で重要なものを掘り起こして、その不確実性を下げていくアプローチ」こそが事業創造なのだ。
「直近3年だけでも400件以上のサービス/プロダクトを開発」してきた著者の方法論だけに、新規事業に取り組むビジネスパーソンなら知っておいて損はない方法論といえそうだ。「このところ売れ筋上位にすぐ入ってくる新刊が少ないが、この本は反応がよかった」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。
1位は『ANA苦闘の1000日』
それではランキングを見ていこう。今回は11月の月間ランキングを紹介する。
1位の『ANA苦闘の1000日』は同社のお膝元の書店だけに息長く売れている。本欄でも10月に「ANA苦闘の1000日に密着 未曽有の危機にどう動いたか」の記事で取り上げた。2位の『数値化の鬼』は本欄3月の記事「いったん数字にして考える 仕事ができる人の思考法」で紹介した。刊行から半年以上たつが、最近多くの書店で再浮上している。3位には、定番の業界研究ムック『会社四季報業界地図 2023年版』が入った。今回紹介した『異能の掛け算』は12位だった。
(水柿武志)