ニトリ流人材育成の秘訣 何のために働く?に向き合う
あしたのマイキャリア経験をスキル化する
目標に向かって実際にキャリアを積み上げていくときには、「経験をスキル化する」ということが1つの大きなポイントになると思います。いろいろな経験をしても、それがバラバラのままでは「ただの経験」で終わってしまいます。それをスキルセットにすることが、非常に重要です。
スキルセットとは、履歴書や職務経歴書に書ける「ただの経験」ではなく、いつでもどの場面でも取り出し可能で行動に移すことができる「再現性のあるナレッジ」です。スキルセットに必要なものは、まず「経験」です。一度でも実際にやったことがあるということは、やはりとても大事です。中でも失敗の経験は、成功の経験よりもスキルセットになることが多いです。
そしてもう1つ、実際にやったことがなくても「横で見ていただけ」ということも、実はスキルセットになり得る場合があります。同じチームの同僚や部下がやっているのを側で見ていたということも、実はよく観察して人の話を聞いてつぶさに見ていれば、スキルセットにつながっていくものです。どんなやり方をしていて、どんな失敗をしたのか、「よく見ている」ということは大事です。このような形で、自分の経験をスキルセットにして、いつでも取り出し可能にすることを意識してやってみてください。

キャリア形成で重要な「コアコンピタンススキル」
キャリア形成における重要なポイントは、まず「コアコンピタンス=他の人にはまねできない自分だけがもっているスキル」があり、それを「グローバル」と「テクノロジー」の方向にどう展開していけるかだと思います。さらにこれからの時代では、これらに加えて「サスティナブル人材」が必要とされる方向に進むのではないかと、私は考えています。
これまでは「グローバル人材」や「IT人材」まででよかったのですが、これからはあらゆる既存事業が組み換えられ、総務でも法務でもすべての部署が「サスティナブル」に関わらざるを得なくなります。例えば、「太陽光を入れた経験がある」「法律でCO2の削減の計算をした経験がある」という人材が、すでに様々な場所で必要とされるようになってきています。社内におけるキャリアのステップアップや転職を考えるタイミングで、自分がサスティナブル人材になれる可能性があるかどうかを意識してみるといいと思います。