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努力に報いる評価基準の会社を選ぼう

ゆるブラック企業が生まれてきた背景には、高齢者雇用に伴う賃金カーブの平坦化と、働き方改革の広がりがあります。そしてそのままの状況に安住していては、ゆるブラックという言葉のとおり、残業はないけれど仕事の場での成長ややりがいなどもない、という状況になりかねません。それはシンプルに、増えない給与に象徴されるでしょう。

だとすると、私たちはどのようなキャリアの選択肢を持つべきなのでしょう。

一番良いのはもちろん、働きやすくて成長できる業界を目指すことです。19年のオープンワークの口コミ情報分析で示されていた、それほどハードではないけれど成長できる業種(IT・通信・インターネット系など)の賃金カーブ変化は、全産業平均よりも大きなものではあります。ただ、平均年収水準が高いことと、カーブが平坦にはならないので、以前よりはなだらかではあるものの、定年まで頑張り続ければちゃんと給与は増えると言えそうです。

 重要なことは、どのような業界であれ、努力した分だけ報われる会社を選ぶことです。

それも、結果を出したかどうかだけでなく、チャレンジしたことを認められるか、周囲をサポートしたことを認められるか、などのプロセス面にまで踏み込んだ評価をしてくれる会社を選ぶことです。

会社の賃金カーブを見ることは難しいのですが、例えばどんな評価基準があるかを確認してみれば、少なくとも経営者が社員に何を求めているかは見えてきます。社風のヒントがそこにあるからです。

今いる会社で活躍し続けるのか、新しい場所を探して転職するのか。そのためにぜひ評価制度を理解するようにしてみてください。

 平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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