幹部クラスが転職失敗 陥りやすい3つのパターンは
経営者JP社長 井上和幸
次世代リーダーの転職学失敗パターン2 「必要以上に説明的」
「今回、なぜ転職をお考えなのですか?」と面接官の担当役員に聞かれたBさんは(ちゃんと理由を納得してもらわなければ)と気負い、次のように話し始めました。
「はい、そもそも3年前に現在の部署に異動しまして、それは自分の異動希望がかなったのですが、営業部からマーケティング部への異動となりました。そこで当社としては未着手だったデジタルマーケティングに取り組むこととなり、その責任者に任命されたわけですけれども……」
多くの面接官はこのあたりまで聞いて、「おいおい、転職理由は何なんだよ」と、しびれを切らし始めます。
「社内にノウハウがなかったため、私が主導してチームの勉強会や、先行して取り組み実績を出されている企業にヒアリングなど実施しました。そして……」。担当役員は話をさえぎり、「あ、Bさん、もういいです」。
Bさんは3年前に異動して担当したマーケティング職に自身の適性を感じ、デジタルマーケティングなどで実績も出せた。しかし、定期ローテーションでの異動辞令が出て、別セクションへの異動に。自分としてはマーケティング職での専門性をもっと極めていきたいので、その線で職務を担える企業に転職したいのです。
大手1社だけに勤めてきた人に多いのは、このBさんのように話が冗長で説明的すぎるケース。これが失敗マナーの2番目です。
話の終わりが見えず、結局何を言いたいのかがよくわからないというのが、このパターンに共通する問題点です。情報を全て伝えなければと思い込んでいるせいで、結果的に聞き手からすれば余計な枝葉の情報までひたすら話し続けることになってしまうようです。面接でアガってしまって、懸命に話しているうちに、本人も結局、何を伝えたいのか明確でなくなってしまい、「それらしい言葉」を並べている人も少なくありません。
リーダーは明確でわかりやすいコミュニケーションを求められます。こうした話し方に陥りやすい人は、最初のパターン1で指摘した「結論から」「端的に(短く)」「具体的に」話すことを強く意識し続けて面接に臨みましょう。