元ヤフー社長が挑む都庁DX、5つのレス化を加速
東京都の宮坂副知事インタビュー(上)
リスキリング戦略
東京都の宮坂副知事 ヤフー時代のようなラフな格好で業務に臨んでいる。
「英国のことわざに『馬を水辺に連れて行けても水を飲ますことはできない』という言葉があります。もちろん人間も腹落ちしないと行動しない。役所では若い職員はコピーばかりとらされている場合がある。40年近い公務員人生のうち、年単位でコピー対応に費やしているという試算もあります。しかし、紙からデジタルに移行すれば、もっとやりがいのある仕事に時間を使えると話すと、『なるほど、やってみよう』となるわけです」。
コロナ禍にペーパレス化で55%削減
――ペーパーレスはデジタル化の第一歩ですね。どんな成果が出てきましたか。
「21年度に一気にペーパーレスが進みました。16年度に都庁では約2億枚のコピー用紙を調達していましたが、デジタルツールを活用することで、21年度には16年度比で55%削減しました。同様にFAXレスは19年度比で99%削減、ハンコレス、キャッシュレス、タッチレスも進み、この『5つのレス』を全庁で推進しているところです」。
――なぜ急速にデジタル化できたのでしょうか。
「やはりコロナの影響が大きいですね。登庁がなかなか難しくなり、ウェブ対応しなくてはいけなくなった。こちらも『俺の部屋に来るな』とウェブでの会議を徹底しました。必要に迫られ、5つのレスも進みました」。