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デジタル人材採用、豊洲の衛生管理DXを支援

――街のDX化はどう進めていますか。

「東京都は地下鉄などの交通や上下水道、卸売市場などインフラ事業の運営・管理もやっています。例えば、下水処理では、都内の消費電力の1%に相当する膨大な電力を消費しています。しかし、人工知能(AI)技術を活用して下水処理における電力消費を最適化することは可能です。また、ドローンを使って下水道管内を調査、点検するような実証実験も行っております。その方が安全だし、点検時の見落としも少なくなります」。

――都のDX化推進の専門組織としてデジタルサービス局を新設しました。DX化で成果を上げている事例はありますか。

豊洲市場でタブレットを使って有毒魚をチェックする都の職員

豊洲市場でタブレットを使って有毒魚をチェックする都の職員

「面白い事例があります。豊洲市場での衛生管理業務のDXです。都の職員が有毒魚などのチェックにあたっています。市場内をくまなく回って、疑わしい魚を調べるため、分厚い専門書を持って調べたりしていました。手間も時間もかかります。そこで、デジタルサービス局と連携して、衛生管理用のアプリを短期間に独自開発して運用を始めました。職員はタブレットを携帯して、市場を回り、そのアプリで有毒魚かどうかなどを瞬時にチェックして、クラウド上で管理、共有できる仕組みになりました」

――そんなに簡単にデジタルサービス局の職員は独自アプリも開発できるのですか。

「外部から採用したデジタル人材が開発を主導しました。既存の『キントーン』などのクラウド型業務支援ソフトも活用し、現場の職員と話し合いながら、アジャイル方式で開発を進めたのです。アジャイルなら、適宜見直しながら迅速にソフト開発ができるわけです」。

外部人材が先生役、自治体のCXO候補にも

――同局のデジタル人材が他の職員にデジタルの知識やノウハウを教えたり、リスキリングしたりする先生役となるわけですね。

「デジタルサービス局は他局と連携し、DX支援するケースが増えています。衛生管理のDXのような成功事例を他の局にも横展開していきたいと思っています。今、各局からDX案が数百件規模で上がってきています」。

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