「取りたい資格」中小企業診断士とAI検定が人気
日経転職版 資格と学び直しに関するアンケート(中)
あしたのマイキャリア
転職情報サイト「日経転職版」が登録会員を対象に実施した「資格と学び直しに関するアンケート」の第2回です。前回は「自己評価」と「他者評価」の合計得点が高かった資格について、総合ランキングと分野別ランキングを紹介しました。今回は、これから取りたい資格ランキングです。広く一般的に認知されている「スタンダード資格」と、2020年前後に生まれた新資格やデジタル系資格を集めた「トレンド資格」について聞きました。今後の学びの参考にしてください。
スタンダード資格 1位 中小企業診断士、2位 TOEIC900点台、3位 簿記2級
取りたい資格ランキング《スタンダード資格》
日経転職版会員に今後取りたいスタンダード資格を複数回答で選んでもらい、票数の多い順に並べました。1位は経営コンサルティングの国家資格である「中小企業診断士」。コンサルタントとしての知識や能力を証明する資格として、ビジネスパーソンから人気の高い資格です。

2位は英語資格の「TOEIC L&R900点台」。TOEIC900点台は外資系企業への応募や海外赴任の条件にもなる高レベルのスコアです。英語学習をしている人たちにとって、大きな目標になっているようです。3位は「簿記検定2級(日商)」でした。業務範囲を広げたい人や専門性を高めたい人が取得を目指しています。
●中小企業診断士
・経営全体を広く理解し、分析・提案できる知識を得たい。
・企業コンサルタントとして働けそうだから。
・副業で中小企業のDX支援をしているから。
●TOEIC L&R900点台
・海外赴任を希望しており、一定の語学力を有していると評価されそうだから。
・英語を社内公用語とする企業が増加。転職するには900点がベンチマークだと感じる。
●簿記検定2級(日商)
・経理の転職の必須条件になっている。
・プロジェクトの中で経理の知識があったほうがスムーズに理解できることが多いため。
6位「社会保険労務士」は、社会保険や年金、労働関連の法律の専門家として人事や労務管理を担います。企業の人事・労務職で役立つほか、独立開業の道もあります。7位は「宅地建物取引士」と「基本情報技術者」。宅地建物取引士は不動産取引に必須の資格で、事務所の人数に対して有資格者の設置義務があるため、常に需要があります。基本情報技術者はICT分野の国家試験「情報処理技術者試験」の1つで、情報処理の基本的な知識・技能を問う資格です。ITエンジニアの入り口としてまずはここから、と考えている人が多いようです。
9位には、FP技能検定の1級と2級が入りました。金融機関などで取得を推奨されていることもありますが、自分の人生設計やマネープランの見直しに役立てたい人も多くみられました。
●社会保険労務士
・人事労務関連の知識を有しておきたい。転職の際に有利に働くと思われる。
・年金など自分に関わる内容も多く、勉強になりそう。
●宅地建物取引士
・国家資格であり、不動産業界にも興味を持っているため。
・市場調査や開発企画、事業計画策定などに役立つ。
●基本情報技術者
・営業職で情報処理技術に明るいと他と差異化できる。
・IT業界に転職する人が初めに取る資格だから。
●FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定1級
・社内で資格取得を推奨されている。
・今後の自身の人生のプランニングに役立てたい。