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この育休改革直後に生まれた子どもたち、つまり多くの父親が育休を取った世代では、それ以前の世代と比べて、12歳時点でのジェンダー観にはっきりとした変化が生じていた。具体的には、幼い子どもを持つ母親が働くことや、幼い子どもを持つ父親がフルタイムで働かないことに賛成する割合が2~3割も増えた。

これらの研究が明らかにするのは、男性の育休は短くても、長く続く大きな変化をもたらしうるということだ。いま父親が育休を取ることは、子どもたちの世代に男女平等な社会をもたらすことにつながっているのだ。

※出典 [注1]令和3年度雇用均等基本調査
[注2]Patnaik, A. (2019). Reserving time for daddy: The consequences of fathers' quotas. Journal of Labor Economics, 37(4), 1009-1059.
[注3]Dunatchik, A., & Özcan, B. (2021). Reducing mommy penalties with daddy quotas. Journal of European Social Policy, 31(2), 175-191.
[注4]Farré, L., Felfe, C., González, L., & Schneider, P. (2022). Changing gender norms across generations: Evidence from a paternity leave reform (Universitat Pompeu Fabra Economics Working Paper No. 1812).
山口慎太郎

東京大学経済学研究科教授。内閣府・男女共同参画会議議員も務める。慶応義塾大学商学部卒、米ウィスコンシン大学経済学博士号(PhD)取得。カナダ・マクマスター大学准教授などを経て、2019年より現職。専門は労働市場を分析する「労働経済学」と、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」。著書『「家族の幸せ」の経済学』で第41回サントリー学芸賞受賞。近著に『子育て支援の経済学』。
[日本経済新聞朝刊2022年10月10日付]

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